ラグビー日本代表を13年間、裏で支え続けた男の哲学「評価されるのはプロセスではなく結果だけ」

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大村武則氏インタビュー第1回

 日本ラグビー界の歴史的勝利「ブライトンの奇跡」や2019年W杯で史上初のベスト8進出の陰で、チームを支え続けたのが大村武則氏(59)だ。2009年から日本ラグビー協会に所属し、代表のチームマネージャーを13年間務めた。これまで、ほとんど表舞台に立つことはなったが、このほど、著書『ONE TEAMの真実』(大和書房)を出版。快進撃の舞台裏を明かしている。(全4回の第1回)

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「息継ぎせんと、ずっと走ったんとちゃうんかな」

 13年間のチームマネージャー時代をそう振り返った大村氏は京都・宇治市出身。元々は陸上部の選手だったが、俊足を買われて高校3年時にラグビーへ転向した。大阪体育大学ではウイングとして活躍し、ニュージーランドにも留学経験がある。

 現役を引退後は、ヤマハ発動機のトレーナーになった。のちにマネージャーへと転身し、2009年からは日本ラグビー協会で働くようになる。

 協会とは、1年ごとに契約を更新する形でチームマネージャーを務めた。

「契約書には『チームをスムーズに動かしてください』『準備をしてください』『問題があれば解決してください』などとだけ書かれてあるのみ。それを実行するだけでした。嫌なら、最初からサインしなければいいだけの話。評価されるのはプロセスではなく、結果だけです」

 チームマネージャーとして、13年間ほぼすべての時間を代表のために費やしてきた。

「プロ契約で生きている人間は、働く時間とかは関係ありませんから。ワールドカップイヤーなどは、365日のうち280日ぐらい合宿や遠征、視察などがあります。13年間で休んだのは、10日程度。その間も結局は連絡が来たりしましたから、家でゆっくり寝たとかはなかったです」

 朝起きた瞬間から寝るギリギリまで働き続ける日々。現代の「ワークライフバランス論」とは無縁の世界である。

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