29年間で中3の正解率が2割も減った「数学者が異常を感じた設問」 背景にある教育の歪みの正体とは

国内 社会

  • ブックマーク

 中学3年生を対象とした全国学力テストで、1983年には約7割が正解していたある数学の問題。だが2012年には、正答率が2割近くも下がっていた。いったい何が起きたのか――。東京理科大学理学部教授や桜美林大学リベラルアーツ学群教授を歴任し、数学教育に半世紀以上携わってきた芳沢光雄氏が、現在の学びの現場に感じている「異変」とその対策を考える。

 ***

 筆者は専任教員として5つの大学、非常勤講師として5つの大学に勤務し、定年退職となった一昨年の3月末まで45年間に亘ってのべ1万5000人の学生に授業をしてきた(文系・理系ほぼ半々)。...

つづきを読む