くら寿司、イタリア館、ミャクミャクサンリオ…大阪万博が“転売の博覧会”に 転売ヤー大量参戦を招いた構造的な弱点とは

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 いよいよ「転売ヤー」が社会問題となりつつある。つい最近もマクドナルドの「ちいかわハッピーセット」が転売ヤーのターゲットとなったことで、買い占めによって一般客の手に渡りにくくなったり、おまけだけ回収してハンバーガーをそのまま放棄したりといった物議を醸した。いま、そんな転売ヤーたちにとっての「ボーナスタイム」会場と化しているのが大阪万博であるという。背景には運営の“無策”も関係しているようだ。

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「転売の博覧会」状態に

 万博をめぐる転売で世間を呆れさせたのが、先日報じられた、くら寿司「大阪・関西万博店」の予約チケット転売だ。1か月前から来店予約のできるEPARKの予約システムを悪用し、押さえた予約枠を数千円で販売する「予約枠転売ヤー」が現れたのだ。

 予約システムの利便性向上を背景に、転売ヤーたちの間では“仕入れリスク”のない予約枠の転売がトレンドになっているそう。

 会場で人気の高い「イタリア館」においても、専用アプリ「Italy Expo2025」の事前予約機能を悪用した転売ヤーが、予約QRコードのスクショを数千円で転売する例が確認され、横山英幸・大阪市長も「言語道断」と批判した。こちらは対策が検討されているようだ。

定価6930円のぬいぐるみが1万円で転売されている

 ただ、こうした予約枠の転売は仕入れコストがないぶんリスクも少ないが、販売価格はそこまで伸びない傾向にある。やはり、転売ヤーたちにとっての“本丸”は販売価格が高く利幅を大きく取れる「万博会場限定グッズ」なのだという。

「万博は今回かなり力を入れてミャクミャクと人気キャラクターのコラボ商品を用意していまして、代表的なものとしては、“たまごっち”や“エドウイン”のほか、熱烈なファンが多いことで知られる“かえるのピクルス”のグッズもあります」

 そう解説するのは、転売ヤーの生態に詳しく『転売ヤー 闇の経済学』(新潮新書)の著作がある、フリーライターの奥窪優木氏だ。

「中でも人気なのがサンリオのキャラクターとミャクミャクとのコラボ商品です。特にミャクミャクとクロミが一緒になったバージョンは、メルカリなどで売れ筋の転売商品になっているようです」(同)

 メルカリをのぞいてみると、会場では6930円で売られているぬいぐるみが、1万円前後で多数、転売されているのが確認できた。

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