チームトップ4勝もオリオールズ「菅野智之」に浮上するトレード説 “エース級の活躍”で強豪球団に移籍の可能性も
2つ目の起爆剤
昨年オフ、投手陣の補強に失敗した。米フリーエージェント市場にいた働き盛りの投手との交渉に悉く失敗し、行き場を失っていたベテラン勢に声を掛けるしかなかった。地元ファンも今季の低迷は予想していたが、良い意味でそれを裏切ったのが菅野だった。
「菅野は15日のツインズ戦で先発し、7回4失点で3敗目を喫しました。でも、4勝はチームトップであり、トータルでの防御率は3.08。菅野がチームを牽引しています」(前出・現地メディア)
その菅野の今後だが、「MLBネットワーク」や地元ボルティモアのスポーツニュース局「MASNスポーツ」が予想する通り、オリオールズが浮上のきっかけがつかめないまま中盤戦に突入すれば、「2つ目の起爆剤」を使うことになるとみる――それは菅野の放出だ。
メジャーリーグでは下位に低迷したチームが来年以降を見据え、主力級の選手を放出してその見返りに若手選手をもらう「フラッグディール・トレード」が行われる。今季のトレード期日は米東部時間7月31日午後6時となっており、オリオールズがチーム再建に必要なトッププロスペクト(若手の有望株)を獲得するには「菅野を放出するしかない」との見方もされている。また、菅野の名前が挙げられるのはもっとも放出しやすい投手でもあるからのようだ。
「菅野は1年1300万ドル(約19億5000万円)で契約しました。先発ローテーション投手としては決して高額ではありません。地区優勝を争っているチームからすれば、大崩れしない先発投手を比較的安価な金額で得ることができるので、トレード要員としては魅力的です。また、オリオールズと彼の契約交渉では年齢がネックとなり、トレードやマイナー落ちを拒否する条項をつけられなかったと聞いています」(前出・米国人ライター)
もっとも、悲観的な声もないわけではない。昨年オフ、オリオールズは著名な投資家であるデビッド・ルーベンスタイン氏のグループに売却されている。24年オフの補強の失敗について「新しい経営陣と現場の信頼関係」を指摘する向きもあり、
「マイク・エリアス副社長兼ゼネラルマネージャーなどの現場スタッフは代わっていないが、従来のような迅速な対応はできないのではないか。現場レベルで交渉がまとまっても、経営陣が横やりを入れてくるかもしれない」(前出・同)
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