「世紀の番狂わせ」で皇帝になった男が味わった「逃亡」と「屈辱」の日々

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 古今東西、予想外の展開でトップに立つ人物は存在するものだ。現代社会においても、前任者の不祥事による失脚、あるいは企業買収や合併などで、昨日までパッとしなかった社員が、突然社長やリーダーに躍り出る事例は決して少なくない。

 歴史を振り返れば、その最たる例として、南宋の初代皇帝、高宗趙構(こうそうちょうこう)が挙げられる。本来、宋王朝の家系において皇位とは縁遠い存在であった彼が、さまざまな偶然が重なり皇帝の座に就く。しかし、実のところ、その治世は北方民族・金軍の侵攻に翻弄される日々だった。...

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