「ばあちゃん、腹減った!」「気のせいや!」 島田洋七が「がばいばあちゃん」の言葉で気づかされた“悩みや悲しみを笑い飛ばす”極意
「芸人ならいっそ本にしろ」
そんな洋七の本質を見抜いていたのがビートたけし(78)だった。
洋七は年上のたけしのことを「たけし」と呼び捨てにする。そんな人は芸能界でも洋七くらいしか記憶にないが、二人は故・横山やすしに引き合わされて以来、飲み食いを供にし、フライデー編集部襲撃事件(1986年12月)で謹慎中のたけしを支えたのが洋七だった。
漫才ブームが終わった頃のこと。ある時、たけしが洋七にこう言った。その頃の洋七は講演の仕事を始めた頃だった。
〈「洋七は講演会を最近よくやっているけど、何を喋ってるんだよ?」とたけしに聞かれましてね。ばあちゃんや子供の頃の貧乏話をしていると答えると、「それ面白いな。泣いて、笑って、喜んで。芸人ならいっそ本にしろ」とアドバイスされました〉(『お笑い がばい交友譚』より)
こうして大ベストセラーは誕生した。洋七のお笑いの本質は誰にでも突き刺さる。「がばい」本でそれが証明されたといっても、言い過ぎにはならないだろう。
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