“キャラをイメージした”カクテルが飲める! 「響け!ユーフォニアム」ファンが集う京都の“隠れ家バー” 店主が明かす「作品が好きで移住された方は何人もいます」
「ユーフォ」ファンが集まる名店
京都府宇治市といえば、世界遺産の平等院鳳凰堂で知られる観光地だが、近年、この地を訪れるアニメファンが急増している。京都アニメーションが制作したアニメ「響け!ユーフォニアム」(以下、ユーフォ)の舞台になっているためだ。同作は2015年からテレビアニメの放送が始まり、昨年にテレビアニメ3期が完結、映画化も決定している。
【写真】“どんな配合なのか”とファンが質問してくる「響け!ユーフォニアム」のキャラをイメージしたカクテル
JRや京阪の駅周辺に作品に登場する風景が多い。日本でも最古級の歴史をもつ宇治橋や、地域のシンボルでもある大吉山は作中の重要なシーンに何度も登場しているうえ、主人公の黄前久美子が利用する通称“久美子ベンチ”など、人気の聖地が点在している。それらを目指して“聖地巡礼”に訪れるファンが多いのである。
なかでも、ファンが集う名店として人気が高いのが、商店街の一角、路地を入り込んだ場所にあるバー「Kaguya」である。商店街の一角にある小ぢんまりとしたバーだが、今や世界中から訪れる「ユーフォ」ファンが絶えない名店だ。そんな店を訪れたファンが注文するのは、キャラをイメージしたカクテルである。
バーのオーナーでYouTuberでもあるITARUさんは、アニメが宇治に与えた影響は極めて大きいと話し、これからアニメが宇治の観光において重要な核になると分析する。いったい、どのようなファンが宇治を訪れているのか。その実態を聞いた。
毎週宇治を訪れるファンは「普通にいる」
――聖地巡礼に訪れるファンの特徴を教えてください。
ご存じの通り、アニメの聖地は日本中にありますが、宇治は特別だと言う人がいます。京アニの本社もこの地にあるため、とにかく「ユーフォ」の作中に出てくる風景がリアルですし、他では味わえない聖地巡礼体験ができるためかもしれません。
当店にも、東京から毎週のように来店される方が何人もいますが、とにかく作品に熱狂的なファンがついている印象を受けますね。あと、吹奏楽をテーマにした作品ということもあり、たくさんのキャラが登場するのですが、それぞれのキャラにしっかりファンがついている点も凄いと思います。
アニメの聖地である大吉山は、作品にも登場する県祭りの日に1500人ほどのファンが登ったそうです。しかも、これは「ユーフォ」の等身大パネルを設置していた16時までにカウントされた数字。夜の21時になっても、山頂はファンで満員だったそうですから、トータルで来場者はもっと多かったはずです。大吉山は平安時代以来、人々が登ってきた歴史をもつ山なのですが、1日あたりの登山者数ではおそらく有史以来最多ではないでしょうか。
――有史以来、というのが凄いですね。「ラブライブ!サンシャイン!!」の聖地である静岡県沼津市は、アニメがきっかけで移住した人が多いそうです。宇治に移住された「ユーフォ」ファンもおられるそうですね。
作品が好きで移住された方は何人もいますし、好きが高じて舞台になった神社の氏子になられた方もいます。とにかく、ファンのみなさんは作品も好きだけれど、宇治という町そのものが大好きなんですね。きっかけはアニメだったけれど、いつの間にか町自体のファンになっている、そして町が第二の故郷のようになっている、そんな方が多くいると思います。
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