【インタビュー】「高市早苗」議員が「消費減税」を主張する理由 過度な財源論を避け、国民に“食べ物に困らない”生活を

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旧氏の通称使用の環境を整備

 ――いわゆる選択的夫婦別姓問題では、旧姓の通称使用拡大を推進する立場を取っている。

 私は、平成14年に旧氏の通称使用機会を拡大するための最初の法律案を書き、今年の1月には最新の内容に修正した。2019年の「改正住民基本台帳法施行令」の施行により不要になった部分を削除した。いずれも、国の機関、地方公共団体、公私の団体および事業者に対して旧氏を使用する機会を確保するための措置を講じていただく内容だ。

 今では、住民票、マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど、本人確認に必要なものへの旧氏併記が可能となり、すべての国家資格で旧氏が使えるようになった。国の機関の大方はクリアできていると思うが、一部の金融機関やクレジットカード事業者では旧氏使用にまだ対応できていないところが残っている。

 ――法制審議会による要綱案など、いわゆる選択的夫婦別氏制度の問題点は。

 あえて言えば、事業者を含む第三者の心理的・実務的な負担は相当大きなものになると思う。

夏の参院選で「1人でも多く当選を」と全国回る

 ――石破政権をどのように評価するか。

 昨年の衆院選で自民党は敗北し、衆院で自公は少数与党になった。予算委員会を拝見すると、石破総理は何としても予算案を通すために、野党がおっしゃることをすべて包み込む形で答弁されていた。予算案も野党の主張をかなり取り入れて修正して衆院を通過させ、その後に参院で再び修正となった。政権運営は相当苦労されていると思う。石破総理が本来、総理大臣になったらやりたいと思っておられたことはたくさんあるだろうが、それをまだ打ち出せる余裕がない状況なのかもしれない。つらいことだと思う。

 ――いずれ総裁選もあり、政治活動の状況や方針などは。

 総裁選は2年半後だ。3年半前も、昨年も総裁選の公約も変わっておらず、同じことを言っている。よって、総理の職にあるならやりたいことも明確であり、特別に何かをしているわけではない。

 今は党の治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会長としての職務に全力を尽くしている。闇バイト対策として昨年末に石破総理に提言した仮装身分捜査の導入や違法求人情報の削除は一気に進んだ。ロマンス詐欺や特殊詐欺でだまし取られたお金を取り返すための金融機関間の情報共有やログの保存についても、政府は調査会の案を丸のみしてくれる内容で4月に決定してくれた。

 現在はオンラインカジノ対策に取り組んでいる。日本国内からオンラインカジノに賭金することは明確に違法だが、オンラインカジノに誘導するような広告を含むSNSなどでの発信行為、オンラインカジノウェブサイトやアプリも違法とし、削除要求できるようにすることなどが柱だ。「ギャンブル等依存症対策基本法」の改正を議員立法で委員長提案の形で実現するために、与野党各党に自民党案を示しているところだ。一部を修正の上、おおむねまとめることができそうだと考えており、ぜひ今国会で成立させたい。

 今夏は参院選がある。参院でも与党過半数を失うと、法案は何も通らなくなる。1人でも多く当選してもらえるよう、週末や平日の夜は全国遊説に力を尽くしている。

【前編】では、いわゆる「トランプ関税」について、アメリカとの交渉戦略や国内対策に関する持論を述べている。

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市ノ瀬雅人(いちのせ・まさと)
大手報道機関にて20年近く国政、外交・国際関係などの取材、執筆、編集を務めた。首相官邸、自民党、旧民主党、国会のほか外務省などの官庁を担当した。

デイリー新潮編集部

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