「自民には“玉木首相”というカードが…」 勢いに乗る国民民主との連立の可能性とは

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“隠し玉”も

 山田氏が出馬の経緯をこう明かす。

「私の専門は海洋安全保障で、これまで尖閣諸島や北方領土の問題などに取り組んできました。しかしプランを提案してもなかなか(解決に向けて)前に進まないのが現実でした。自民党がダメなら野党に声を上げてもらおうと、尖閣諸島開拓の日である今年1月14日、各党代表者が集まった会議で話をした際、一番活発に受け答えをしてくれたのが榛葉さん(国民民主党幹事長の榛葉賀津也氏・58)でした。後日、“ご自身で政策をつくってみてはどうか”と、榛葉さんから出馬を打診され熟慮の末、出馬を決意するに至りました」

 ピンからキリまでバラエティーに富む面々に紛れ、“隠し玉”も用意されているという。

「元特捜検事で弁護士の郷原信郎氏(70)にも比例代表候補としてオファーしているそうです。郷原氏自身、国民民主党が政権入りを果たした際には法務大臣を希望しているともいわれています」(全国紙政治部記者)

「玉木首相」というカード

 同党の勢いを目にして、自民党内では政権維持のため「玉木首相」というカードを切って、国民民主と連立を組む構想があるとされる。

「仮に参院でも過半数を割って石破氏が辞任するとして、新総裁を党内から選出したところで、野党の協力が不可欠な少数与党の状態では、国会での首班指名選挙を乗り越えるのは簡単ではありません。国民人気の高い玉木氏を首相に担いで同党を取り込めば、政権の安定に加えて支持率アップも見込める。“ジリ貧を打開するウルトラC”と言う自民関係者もいるほどです。こんな話が真顔で語られるのも、玉木氏が“首相になりたい”との野心を周囲に漏らしていることも影響しています」(政治ジャーナリスト)

 一方、元自民党本部事務局長で選挙・政治アドバイザーの久米晃氏は玉木氏の心中をこう推し量る。

「政権入りして結果を出せなければ、今度は玉木氏自身が批判の矢面に立たされ、次の総選挙でボロ負けするリスクを抱え込むことになる。いまのポジションのまま自民に厳しい要求を突き付け、国民から拍手喝采を浴びるほうが得策なのは自明です。玉木氏の野心は確かですが、いまはタイミングと環境を見定めていると考えた方が自然です。参院選で自公が過半数割れしても、私は連立の組み替えは起こらないとみています」

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