「契約書は存在せず、金額交渉すらできない」 尾上菊五郎劇団「音楽部」で報酬の搾取、パワハラが 「異を唱えた相手に“仕事を回さない”と」
【全2回(前編/後編)の前編】
襲名という形で名跡を伝承する歌舞伎界では、古くからの「型」を重んじる。その精神は役者のみならず、裏方から興行主にまで浸透し、“独特な因習”を生んできた。それが伝統と呼ばれるうちはまだいいが、とんだ「型破り」となっては、騒動の火種になりかねないのだ。
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「一世一代の襲名披露を成功させようと、彼らはスキャンダルが表沙汰にならないよう我慢してきた。興行主の松竹にも平身低頭、頭を下げてきたというのに、結局ハシゴを外された彼らが不憫でならないですよ」
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