巨人3軍の「駒田監督」と「浅野翔吾」について話したこと…見事な復調で示された“天性の能力”とは【柴田勲のコラム】

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スタメン起用に見事応えた浅野

 巨人の浅野翔吾外野手(20)がプロ初の2試合連発弾を放った。10、11日のヤクルト戦(神宮)で2試合連続スタメン起用に見事応えた。

 4月29日配信の今コラムで3軍落ちしていた浅野に触れた。こんな内容だった。

〈本来なら1軍でプレーしている選手だ。でもいまのままではダメだ。打席で力が入っている。もっと自然体になった方がいい。巨人の一OBとして打撃の考え方と打席での構え方をアドバイスできないかと考えている。だが、私は外部の人間だ。軽々しく行動を起こせない〉

〈3軍の駒田徳広監督は現役時代に教え子だった。巨人の関係者がこのコラムを見たら、駒田監督に連絡を取り、私の意思を伝えてもらえたらと思う〉

 こう結んだ。

駒田監督からの電話

 その駒田監督から同日夜、電話が入った。

 コラムを読んでくれていた。感謝の言葉をもらった。私の提案を受けて浅野にアドバイスを送ってほしいとなった。

 ただしボク(駒田監督)の一存では決められない。阿部慎之助監督に許可を取る必要がある。これから遠征があるので帰ってからまた連絡します。こんなやり取りになった。私も同じ考えだった。

 浅野を巡って話が弾んだ。私は構えた時に力が入っている。力感は要らない。バットを少し寝かせて構えると力が抜ける。

 駒田監督も同じ見立てだった。ボクもそう思うと。駒田監督自身も現役時代はバットを少し寝かせるタイプだった。シュアな打撃が持ち味だった。

浅野には天性の能力がある

 浅野にはもちろん、伝えたようだ。

 数日たってまた電話があった。浅野が1軍に呼ばれたという。岡本和真のケガもあって3軍からの緊急招集となった。

 7日、東京ドームの阪神戦に代打で出場した。ちょうどラジオの解説の仕事があった。楽に構えて力んでいなかった。この時は三振したが、打てそうな雰囲気があったし、速い球に対応できそうな構えだった。

 神宮でのヤクルト戦では投手のモーションに合わせて構え、インパクトまで素直にバットが出ていた。

 浅野には遠くへ飛ばす天性の能力がある。これは教えてもできることではない。レギュラーの器だしポテンシャルが高い。これからはボール球に手を出して相手投手を助けない。これを心がけてほしい。そして甘い球をしっかり捉える。そうすればしばらく使ってもらえる。

 浅野を起用した阿部監督、なによりも駒田監督が喜んでいると思う。自分が面倒を見た選手が1軍で活躍する。ファームの指導者にとってこれ以上の喜びはない。

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