DeNA「バウアー」完全復調のカギを握る「登板間隔」と「女房役」の存在 2年前と何が変わったか

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ナックルを決め球に

 また、2年前と異なるのはバウアーが質問攻めにされるのが少なくなったこと。当時は今永昇太(31=現カブス)をメインに、調整法や変化球の握り方などを質問してくる選手が何人もいた。今季は遠慮しているのか、投球練習などを遠くから眺めている選手のほうが多く、アドバイスを仰いでいるのはケイ(30)やジャクソン(29)らの外国人投手だという。だが、DeNAナインとの距離感はむしろ縮まったようだ。ボールを長く持って相手打者の打ち気を逸らしたり、セットポジションでクイックを使ったりするなど“日本流の投球”も見せており、「沢村賞を獲る」の言葉を実現するため、改めて日本球界を研究したものなのだろう。

「3日の巨人戦でのヒーローインタビューで、松尾に対し、『配球のみならず、ブロッキング、送球、全てにおいて良い働きをしてくれた』と絶賛していました。試合前のバッテリーミーティングでは2年前は聞き役に回ることが多かったんですが、今は自分から配球を提案する場面も増えてきました」(チーム関係者)

 バウアーは新たに習得したナックルカーブを決め球に使いたいと思っている。その点は山本や戸柱も了承済みだが、松尾は多投させないようにしているそうだ。4月16日の巨人戦ではそのナックルカーブが狙われ、失点につながった。捕手が松尾に代わり、5月3日の巨人戦でリベンジできたのはもちろんだが、ナックルカーブが“一級品”であると証明してくれたことが「絶賛のコメント」につながったのだろう。

「ベイスターズ帰還の交渉でバウアー側がもっともこだわったのは登板間隔でした」(前出・同)

 代理人のレイチェル・ルーバ女史はMLB機構の弁護士で、選手と球団の年俸調停などを扱ってきた。独立して最初の顧客となったのがバウアーで、2人は同じカリフォルニア大学ロサンゼルス校の先輩後輩でもある。在学中は器械体操の選手だったが、途中からボクシングに転向している。中4日登板のバウアーが沢村賞を獲得したら、“パンチの効いた交渉”も注目されるだろう。

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