旧宮家の皇籍復帰で注目の「東久邇家」に話を聞くと… 「未婚の男系男子は少なくとも12人」と専門家が解説
〈未婚の男系男子が少なくとも10名は〉
現行の皇室典範では天皇・皇族の養子は禁じられており、実際に旧宮家の男系男子が皇籍に入るとなれば典範改正が不可欠である。そもそも、80年近く前に離脱した宮家の子孫が復帰することに国民のコンセンサスが得られるかといった懸念も生じるところではあるのだが、それを差し引いても現時点での有力案には相違ない。
「17日の協議では、21年3月から始まった有識者会議において、先述した四家に関する資料が配布されたことにも言及があったといいます。この四家に若年の男系男子が存在することは、これまで専門家の間では知られていましたが、今回、立法府の協議の中でも具体案として議題に上ったことが、あらためて明らかになったわけです」(前出の全国紙デスク)
実際に、21年5月10日に行われた第4回の有識者会議のヒアリングでは、国士舘大学特任教授(当時)の百地章・日大名誉教授が四家について、
〈現在20代以下の未婚の男系男子が少なくとも10名はおられると思われる〉
と、自前の資料を基に説明していたのだった。
「少なくとも12人の“候補”が」
当の百地氏に聞くと、
「私は野田政権時代の12年、『女性宮家』に関するヒアリングにも応じており、その時から旧宮家の男系男子の存在についてはお話ししてきました」
としながら、
「4年前の有識者会議でも、天皇系図や旧宮家系図などを示しながら、未婚の男系男子がこれだけいらっしゃるというご説明をしています。その10人の内訳は、久邇家に1人、東久邇家に6人、賀陽家に2人、そして竹田家に1人ですが、現在はさらに2人増え、少なくとも計12人の“候補”がいるとみられます」
そう明かすのだ。続けて、
「室町時代以降は、皇統の危機、直系の危機に備え、連綿と続いてきた男系男子の皇位継承権者を確保すべく、天皇の皇子の子孫は代々親王に任ぜられてきました。これが『世襲親王家』で、江戸時代には伏見宮、有栖川宮、桂宮、閑院宮の四親王家がありました。つまり皇室という一本の柱を、四つの宮家という支柱で支えてきたのです。今般の旧宮家復帰の議論も、まさしく皇統を守るための知恵だといえるでしょう」(同)
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