海外遠征の「機内でレポート」を書き、暗記科目は「就寝前と起床直後」に復習…フェンシング界の頭脳派「宮脇花綸」が明かす“五輪メダリストの勉強術”

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 フェンシング女子フルーレ団体に出場し、銅メダルを獲得した宮脇花綸選手は、小中学校の9年間を東洋英和女学院で過ごし、慶應女子高校を経て慶應大学経済学部に進学した経歴を持つ「頭脳派フェンサー」としても知られている。所属先のなかった2022年には「パリ五輪を目指す活動資金のために……」と出場したクイズ番組で優勝し、見事賞金300万円を獲得するなど、文武両道で道を切り拓いてきた宮脇選手に、学生時代の勉強法について伺った。(全3回のうち第2回)

移動中の機内は「一番集中できる時間だった」

 中学3年だった2012年にフルーレ女子のU-17カデットで優勝を勝ち取った宮脇選手は、その後も活躍の場を広げた。慶應女子高校入学後に出場した南京ユース五輪(2014年)では銀メダル、同年のジュニア選手権では銅メダルを獲得。そしてアジア・オセアニア連合チームで挑んだ大陸別団体戦では女子サーブルの江村美咲らと金メダルを手にするなど、期待の若手選手として多くの視線が注がれることとなった。

「当時は遠征が続いていて、1年の半分くらいを海外で過ごすような日々を過ごしていました」

 そのように話す宮脇選手は、「学校に顔を出せない日々も多かったので、友人や周囲にいる皆さんの協力を得ながら乗り越えた」という学生時代の定期テストについて、次のように振り返る。

「まだ学生だった頃は、海外を行き来する飛行機の中で勉強するのが日課になっていました。高校時代には英単語帳や、友達のノートを書き写したiPadのメモ書きを眺めて過ごしていましたし、大学に入った後も機内でレポートを書き上げ、帰国したその足で提出しに行くことも決して珍しくはありませんでした」

 そして「自分にとって一番集中できる時間」と話す機内での過ごし方について、宮脇選手はこう続けた。

「当時は今のように機内のWi-Fiも整備されていませんでしたから、勉強しなくても良い時は決まって読書をしながら過ごしていました。特にミステリーが好きで、辻村深月さんや伊坂幸太郎さん、海外ではジェフリー・ディーヴァーさんの作品をよく読ませていただいていましたね。最近は電子書籍も増えてきましたけど、私は自宅の小さな本棚に少しずつ好きな本が増えていくことが楽しみで、紙の本を手に取って読むことを心がけているんです」

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