海外遠征の「機内でレポート」を書き、暗記科目は「就寝前と起床直後」に復習…フェンシング界の頭脳派「宮脇花綸」が明かす“五輪メダリストの勉強術”
資料集の図を切り取り、ノートに貼り付ける
そのように文学作品への深い愛を語る宮脇選手だが、意外にも学生時代は国語が苦手だったそう。
「漢字の書き取りや、社会のようにさまざまなことを覚える科目があまり得意ではありませんでしたし、国語の『筆者の気持ちを答える問題』とかも毎回苦労していましたね。学生時代は他の科目は100点に近い点数なのに、国語だけは赤点だったこともあったくらいで……。最近は、自分の考えや感じたことを文章でまとめる機会も増えましたから、『だいぶ苦手を克服できているんじゃないのかな?』と思います」と自身の成長についても言及した。
10代の若さ溢れるアスリートと言えども、海外での転戦が続くと徐々に疲労も蓄積し、学業と向き合う時間や気力はみるみるうちに削がれていきそうなものだが……。宮脇選手は限られた時間で臨まなければならないテストに向けて、自身の実力を考えながら時間割を作り、それを緻密に実行に移していったという。
「得意としている数学や英語は、そこまで多くの時間を割く必要はありませんでしたけど、社会のような暗記科目は、本番まで余裕があるうちにノートを作って、試験に向けた準備を進めていきました。勉強用のノートに資料集に載っている図を貼り付けていくと、やがて試験に向けて“完璧なノート”ができあがるので、今度はそれを『最も暗記しやすい時間帯』と言われている毎晩の就寝前と起床後に何度も見返していくと、だんだん知識が定着してくるんですよ」
勉強とスポーツの類似点
宮脇選手が取り入れた細かなスケジュール管理術は、彼女が中学3年生まで在籍した東洋英和女学院での一幕を参考に生み出されたものだという。
「私が中学生だった頃、クラス全員で『テストに向けた勉強の時間割』を書いて、先生に提出したことがあるんですよ。そのやり方が自分に合っていて、高校に入った後もそれを自分なりにアレンジして使っていたんです。細かく時間を割り振っていくと、自分の実力を客観的な視点で見ることができますし、計画も立てやすくなるので、テスト対策で役に立ったのかなと感じています」
そして、宮脇選手はこう続ける。
「勉強もスポーツと少し似ていて、どこかで辞めたり、一度後れをとってしまったりしたら、それを取り戻すのは意外と大変なんですよ。その点では『スポーツも勉強もコツコツと続けてこられてよかったのかな……?』と思っていて。もしかしたらそれが受験やクイズ番組での賞金に繋がったのかもしれませんし、私の人生をより良いものにしてくれたんじゃないかなと思っているんです」
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