「子供は次世代の地球の運転手です」イクメン・古坂大魔王が語る男性も育児に参加した方が「絶対得する理由」

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3歳で天に召された「あいりちゃん」

 綺麗事ではなく、芸能活動をしていると少しでも社会に恩返しをしたいという気持ちが芽生えます。ピコ太郎を“連れて”会いに行くと、あいりちゃんは飛び上がって大喜びしてくれました。薬の副作用で頭髪もなく、体も3歳児とは思えないくらい小さいんですが、大はしゃぎで一緒に歌って、抱きついてくる。マニアックな曲まで、全部ピコ太郎の曲を覚えてくれているのです。

 別れ際に、これからも治療頑張ろうね、とピコ太郎が話を向けると、あいりちゃんは途端に笑顔を消して震え出しました。よほど治療が怖かったんでしょう。「また必ず会いにくるから」と再会を約束してお別れしたんですが、数か月後に亡くなってしまいました。

 医療の発達に伴い小児がんは8割治るようになったと言いますが、それでもあいりちゃんのように幼くして天に召されてしまう子供がいます。治ったとしても闘病にかかる費用は莫大で親の負担も大変です。

 あいりちゃんを紹介してくれた支援機関が関わっている一般社団法人「Empower Children」(エンパワー・チルドレン)の活動に賛同し、少しでも小児がんの実態を知ってほしいという思いで、同じ事務所の仲間たちと病棟に慰問に訪れたりする活動を続けています。

ウガンダのストリートチルドレンとのふれあい

――ピコ太郎を通して、世界中の子どもたちと触れ合ってきて感じることはありますか。

 2017年、ピコ太郎の仕事でウガンダを訪れ、現地のストリートチルドレンたちと1週間一緒に過ごしたことがあります。ワールドカップ予選試合前のセレモニーに一緒に出るため、彼らにダンスを教えるというプロジェクトでした。ウガンダでは英語が公用語ですが、彼らはほとんど喋れない。それでも、身振り手振りでもちゃんと意思疎通ができて本番も成功。感動的な体験でした。

 先日、そのうちの一人から、「僕のことを覚えていますか? 今は団体のリーダーを務めています」と連絡をもらった時は、ストレートチルドレンという苦境を抜け出し、立派に成長したんだと我が事のように喜びました。

 今ではこのように世界と簡単につながれる世の中になりました。地球の裏側で起きている出来事であっても、無関係ではありません。戦争や飢餓が起こったりすれば、経済はつながっているので自分達の生活にも影響が及びます。ピコ太郎と“一緒に”世界15カ国19地域を回りながら、「子供は次世代の地球の運転手」だとつくづく思いました。みんなで協力しあって子供達を大事に育てていかないと、地球は壊れてしまうと。

 先ほども話しましたが(註・前編参照)、ピコ太郎は子供に向けて曲を作っているわけではありません。ただ今も嬉しいことにYouTubeを通して、世界中の子供たちがピコ太郎に笑ってくれている。そんな笑顔を一つひとつ見るたび、とても幸せな気持ちになります。これをやるために自分は生まれてきたんだなぁと。これからも求められる限り、多くの子供達にピコ太郎の歌を届けていきたいと思います。

 前編【ブレイクから8年 「ピコ太郎」はなぜ世界を席巻したのか 古坂大魔王が世界を回って感じた「笑いを受け止める文化の違い」】では、ピコ太郎が今も世界でリスペクトされ続けている「理由」について語っている。

デイリー新潮編集部

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