“佐々木ロス”など関係なし…今季「千葉ロッテ」が最も警戒されるチームになっている理由

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「あそこでバント失敗」

 4月29日のオリックス戦だった。西野は2回に先制点こそ許したものの、その後は踏ん張り、最少失点で後続にマウンドを託した。打線が投手陣の奮闘に応えたのは7回。池田来翔(25)の左翼線への二塁打で同点に追いつき、いったんは勝ち越しにも成功した。しかし、3番手のゲレーロ(34)が炎上して逆転サヨナラ負けを喫してしまった。試合後、吉井監督から出たコメントが衝撃的だった。

「あそこでのバント失敗が全てですね。ああいうところで、きっちりしていかないと優勝を狙うチームにはなれない」

 継投の失敗を嘆くと思っていた報道陣は「あそこでのバント失敗」と言われても、どの場面だったのか、ちょっと考えてしまったという。8回の攻撃で逆転したのだが、勝ち越しを決めた直後の無死一、二塁の場面だった。中村奨吾(32)が送りバントを決められず、続くソト(36)も淡白なバッティングとなって追加点を奪えなかったのだ。野球に「タラレバ」はないが、勝ち越しに成功した後も攻撃の手を緩めなければ最終回のマウンドも違った雰囲気で迎えられたというのが、吉井監督の見解だった。しかし、翌日の同カードで吉井監督はその中村をスタメンから外すことをしなかった。

「沢村拓一(37)も調子が上がってきません。我慢しながら使っている選手もいれば、ファーム再調整を厳しく通達された選手もいました。中盤戦以降を見越しての采配が続いています」(前出・ライバル球団スタッフ)

 ZOZOマリンの選手控え室のテレビもメジャーリーグ中継の衛星放送も受信でき、時計代わりに映し出されている。選手、球団スタッフも佐々木朗希がメジャーリーグ移籍後の1勝をなかなか得られず、苦しんでいることは分かっているはずだが、誰もそれを口にしようとしない。元同僚を応援する気持ちもある。佐々木がいなくなっても、力を蓄えているのは間違いないようだ。

デイリー新潮編集部

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