令和ロマン・高比良くるま、ようやく復帰も…オンラインカジノ問題がもたらした深刻な問題

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

「反省していない」の批判も

 活動再開の目処が立たないまま時間が過ぎれば、世間の関心も薄れ、かつての勢いを取り戻すことは困難になる。かといって、早すぎる復帰には「反省していない」との批判が伴いかねず、タイミングを見極めるのが難しい。芸人としてのキャリアにおいて、最も脂がのっている時期に足踏みをしてしまうことになっている。

 このように、今回のオンラインカジノ騒動は、表面的には一部芸人の問題であるように見えて、実は芸人業界全体の空気を変える引き金となっている。ギャンブルを愛好するキャラクターが売りにならなくなれば、「クズ芸人」を名乗る人たちは新たな武器を探さねばならない。

 一昔前の芸人は、普通の人が真似できないようなリスクの高い生き様を見せてくれるところが魅力的だった。「クズ芸人」と呼ばれるギャンブル好きの芸人たちにもそういう種類の魅力がある。

 ただ、今後はそれを売りにするのは難しくなるかもしれない。彼らがたとえ公営のギャンブルしかやっていないとしても、ギャンブルそのものにネガティブなイメージがついてしまったからだ。ギャンブル芸人の前途は多難である。

ラリー遠田
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。