「詐病」「舌を引っこ抜かれたいのか」1人で1.6万件を投稿…堀ちえみが恐怖の「誹謗中傷」被害を語る
次女の言葉で手術を決意
医師からは「手術」「化学療法」そして「緩和ケア」を提案された。
「先生からは『まずは命を確保することから考えてほしい』と言われたのですが、実は、その時は手術には消極的だったんですね。これまで痛みに向き合ってきたので、正直言って、闘う気力がこれ以上、残っていなかったんです。で、私は『緩和ケア』を希望したんです。とにかく、お迎えが来たら、その時はスッと逝っちゃってもいいって」
だが、当時高校1年生だった次女が「お母さん、お願いだから手術を受けて、まだまだ私の側にいて」と泣きながら懇願。「自分だけの命じゃないんだ」と気づき、堀は手術を決断した。
手術は11時間にも及び、手術では舌の6割を超える部分とリンパ節を切除し、太ももの組織を舌に移植した。リハビリによって言葉を失わないようにするためのギリギリの判断だったようだ。
「リハビリで大切なのは舌根(ぜっこん)を鍛えることだと言います。ですから、最初は看護士さんや介護士さん、家族、友人、いろいろな人に『ありがとう』と言うことから始めました。たくさん言葉を発していると、自然に習得出来るようになるんです」
舌がん手術から1ヶ月後には、今度は「食道がん」が発見される。ただしステージ0の早期発見だったことが不幸中の幸いだった。
舌と食道のがんの治療を始めてから6年が経つ。直近で受けた検査も異常がなく、再発の可能性は低いということで、今後の検査は半年に1回から1年に1回になるという。だが現在も舌のリハビリは精力的に続けている。
「舌がんよりも食道がんの経過観察の方が、極めて重要な感じがする。今度は早い段階ですぐに手を打てるように、(医師に)見張っていただかないと」
昨年10月には17年ぶりの新曲「FUWARI」も発売した。
「がんを経験して、みんなに『ありがとう』という気持ちを綴りました。タイトルは“焦らず、ゆっくり、ふわり、ふわり”と生きていきたいという思いでつけました」
たった1人が16000回以上の悪意ある書き込み…
そんな堀に追い打ちをかけたのが誹謗中傷だった。被告は商業施設のwi-fi回線を使って悪意ある書き込みを繰り返したという。がんに対する心構えや早期発見の大切さ、さらには自らの辛い体験を発信してきたブログへの書き込みだっただけに「怖かったし、精神的にも辛かった」と振り返る。
「(コメント欄に)投稿されてきたものは、すべて証拠として保存してきました。(逮捕時までに)16000回以上の送信がありました。たった1人がそれだけの書き込みをしたのには驚きです」
堀の夫である尼子勝紀氏も憤りを隠さない。
「2023年5月頃から今年の1月まで、それこそ2年近くもの間、誹謗中傷の書き込みを繰り返してきました。実は昨年8月に、警視庁は被告からスマートフォンなどを押収していたのですが、その後も誹謗中傷の行為は続いた。そこで今年1月17日に、いちど侮辱罪で逮捕となったんですが、それより更に重い偽計業務妨害罪で2月6日に逮捕・起訴となったんです。ですから、正確には再逮捕ということになります」
逮捕容疑のブログへの書き込みについては1万6004件となっているが、保釈された後も投稿を続けていたのかもしれない。「実際には2万件を超えています」と尼子氏は呆れ顔。「私として逮捕されたのちに保釈されたことも納得していません」
堀は5月4日放送のFM NACK5「森田健作 青春もぎたて朝一番!」にゲスト出演し近況を語る予定だ。
次回公判は6月6日を予定している。
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