「内野聖陽」主演の自衛隊ドラマ「PJ」が好調スタート 「パワハラ満載」「働き方改革に逆行」でも人気の理由とは
コンプラにうんざり
「職場でもコンプライアンスにがんじがらめになっている今だからこそ、“真摯に向き合うお仕事モノ”がウケるのだと思います。前期の『119エマージェンシーコール』(フジ)は中居正広氏の女性トラブル問題でクレジットこそ外れたものの、横浜市消防局の全面強力で撮影されました。『PJ』同様、人命のために真摯に立ち向かうドラマで、平均視聴率は7・6%、最終回前の第10話が9・0%と、月9ドラマとしては23年4月期の『風間公親―教場0―』以来の高視聴率となりました」
いずれも熱血ドラマである。
「昨年1月期の『不適切にもほどがある!』(TBS)がコンプライアンスにうるさい令和の今を嗤(わら)いに変えて絶賛されたように、Z世代はともかく今の風潮にうんざりしている日本人は少なくないのではないでしょうか。1978年スタートの水谷豊・主演の『熱中時代』(日本テレビ)や84年スタートの山下真司・主演の『スクール☆ウォーズ』を出すまでもなく、『PJ』でも隊員役を演じる神尾楓珠(26)が『死ぬ覚悟はできています』と言ったように、むかしから日本人の精神構造は変わっていないのかもしれません。元来、熱く、本音で突き進むことが好きなんです」
コンプラ違反と言われかねない台詞は、鬼教官を演じる内野だけではない。
「娘役の吉川の友人が趣味の山登りで遭難した人の救助について『自己責任でしょ、マジで税金のムダ遣い』と言ったり、その吉川も『自衛隊って人命救助のイメージ強いよね。それなのに有事の時には戦地に出て行く』と母・鈴木に語りかけると『だから親戚の人たち、すごい偉いって褒めてくれる』と返すなど、言いにくくなった本音に膝を打った視聴者も少なくないはずです。そうした本音を台詞として言わせるところも上手いと思います」
果たして、本音で突き進む「PJ」は今期連ドラのナンバーワンとなるだろうか。





