2026年W杯を“39歳”で迎える「長友佑都」は代表に必要な選手か? 「岡田」「トルシエ」「ジーコ」歴代監督を最後まで悩ませた“ベテラン起用”の成否

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ベテランを起用した西野ジャパン

 ザッケローニ・ジャパンがアジア杯を制し、「史上最強」と評されたことは、06年のジーコ・ジャパンと同様だ。

 さらに精神的なリーダーを置かず、アジアでの戦い方をW杯の舞台でも実践しようとして失敗した点も類似している。

 その点、18年ロシアW杯の西野朗監督は大会直前の監督就任にもかかわらず、ベテランの主力選手にはスタメン起用を約束できないことを伝えて了解を得るなど、チーム作りに腐心した。

 そしてGK川島を筆頭に、CB吉田麻也、キャプテンのボランチ長谷部、4大会連続出場となる左SB長友など要所にベテランを配してグループリーグを突破した。

 さらに22年カタール大会で森保一監督は、吉田、長友に加えて出場機会こそなかったがGK川島やMF柴崎岳をチームに残しつつ、W杯初出場の堂安律、三笘薫、田中碧、板倉滉、守田英正らを起用して結果を残した。

 チームの若返りは絶対条件であるが、チームの根幹として残すべき選手もいる。それを森保監督は22年のカタールW杯と24年のアジア杯で学んだことだろう。

 もちろん長友も、代表に再び呼ばれた意味と役割は十二分に理解していると想像できる。日本は過去4回、W杯の大舞台で決勝トーナメント進出しているが、いずれの大会にもチームをまとめるベテラン選手、自己犠牲の精神でチームに貢献した選手がいた。

 こうした選手を重用するのは日本人監督だからなのかどうかはわからない(トルシエ監督には山本昌邦ヘッドコーチがいた)。しかし森保監督が来夏のW杯で「ベスト8以上」の成果を収めれば、これも「ジャパンズ・ウェイ」になるのではないだろうか。

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第1回【「長友佑都」5回目のW杯出場なるか 大ベテランが「森保ジャパン」に招集されたきっかけは宿敵に喫した「悪夢の敗戦」】では、長友が招集された背景を詳報している。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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