SUUMOを定点観測して見えた「晴海フラッグ」の異変 タワマン棟に投げ売りの前兆?

国内 社会

  • ブックマーク

転売希望価格、2.2倍超えから失速の兆し!?

 では、タワーマンションSKY DUOの転売希望価格は、今後も上昇を続けるのだろうか?

 晴海フラッグSKY DUOの転売住戸が見られるようになった、2024年2月以降の状況を詳しく調べてみた。「転売希望件数」と「上乗せ率」(転売希望価格が当初販売価格からどれだけ上昇しているかを表す指標)の推移を見てほしい。

 2024年2月から同年6月までは、転売希望件数は1桁台と少ない。その短い期間に、上乗せ率は64%から117%まで大きく上昇。そして、同年7月から転売希望件数が増加し始めると、上乗せ率は100から120%の間で推移する。一時、転売希望価格が当初販売価格の2.2倍を超えていた時期もあったことが分かる。

 ところが、転売希望件数が増加傾向を示すなかで、2024年12月に入ると、上乗せ率が111%にガクンと落ち、以降は漸減傾向を見せ始めた。そして2025年4月現在は100%近辺にまで上乗せ率が減少しているのである。

「転売希望件数の増加につれて、投げ売りが始まろうとしているのか?」

 タワーマンションSKY DUOの入居予定時期は、2025年10月下旬。今年の秋に向けて、転売希望件数がさらに増え、転売希望価格が下落していくような展開はあるのだろうか。もしそうなれば、投資家にとっては悲報だが、マイホームを諦めかけていた庶民にとっては朗報になるかもしれない。

 投資か、実需か──。私の地味な定期観測は、もうしばらく続ける必要がありそうだ。

【著者プロフィール】
マン点(まんてん) マンションアナリスト。一級建築士。20年以上続けている不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」の管理人
X(旧Twitter):https://x.com/1manken

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。