SUUMOを定点観測して見えた「晴海フラッグ」の異変 タワマン棟に投げ売りの前兆?

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100戸あたり3戸が転売住戸

「申し込み制限策」がタワーマンションSKY DUOに対して、ほとんど機能しなかったことは、私の地道な定点観測の結果とも一致している。

 2024年7月以降、タワーマンションSKY DUOのSUUMO表示件数(黒色棒グラフ)は、明らかに増加傾向を示している。先述の通り、2025年4月20日現在の件数は44件だ。総戸数1455戸に占める割合(黒色折線グラフ)は3.0%まで上昇している。つまり、100戸あたり3戸が売りに出されている計算になる。

1億9480万円も上乗せされた「隣接住戸のセット売り」

 ある日、私はパソコン画面を二度見した。

 タワーマンションSKY DUOの高層階。なんと、隣り合う2つの住戸が、セットで売りに出されていたのだ。当初価格はそれぞれ7560万円と7160万円、合計で1億4720万円。ところが、セットでの転売希望価格は3億4200万円。実に1億9480万円の上乗せである。

 一体、どのような人が3億円を超える隣接住戸を購入するのだろう。二世帯用住戸としてのニーズでもなければ、セットで販売する価値はないと思うのだが……。

 晴海フラッグを転売しようとする人々は、一体どれほどの価格を上乗せしているのか。次のグラフを見てほしい。2025年4月20日現在、SUUMOに晴海フラッグとして掲載されていた44物件について、当初の販売価格と現在の転売希望価格との関係を示している。

 このグラフからは、専有面積が広い住戸ほど、当初の販売価格に上乗せされる金額が大きい傾向が見て取れる。たとえば専有面積が65平方メートルでは当初価格から約1.5倍への上乗せなのに対し、85平方メートルを超えると転売希望価格が一気に約2倍近くにまで跳ね上がっていることが分かる。資金力のある投資家や法人ほど、より大きな利益を得ている構図が浮かび上がる。

 庶民にとって辛いのは、転売希望価格が6000万円台どころか、9000万円を下回る物件さえ見当たらないことである。1件だけ、1億円をわずかに下回る9980万円の物件があった。ただし、北向きの1LDKというスペックだ……。

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