ついに「魚雷バット」が日本上陸…“投高打低”対策の切り札に浮上した「意外な弱点」とは
投高打低を解消するには…
魚雷バットだけでは投高打低の流れを止められないとなれば、次に考えられるのはルール改訂であり、真っ先に思い浮かぶのがセ・リーグのDH制導入論の行方だ。しかし、1月開催の12球団監督会議以降、「何も進んでいない」(前出・関係者)という。その一方で、東京六大学野球連盟は創設101年目となる来年度からのDH制導入を決めており、日本高野連も改正案の一つとしてその是非を話し合っている。
「セ・リーグ各球団とも、9人制のルールを維持したい雰囲気です。同時に打撃力の弱さを嘆いており、WBCなど国際大会がDH制で行われている以上、『国際化』の名目で導入を決める可能性も囁かれています」(前出・関係者)
投高打低の流れとは少し異なるが、日本高野連は投手の安全性も鑑み、低反発の新金属バットを導入させた。飛距離が出なくなった分、バントや右方向への進塁打がさらに重要視されたが、今春のセンバツ大会では好んで木製バットを使用する球児も少なくなかった。だが、智弁和歌山など、上位校が使っていた木製バットのなかには1000グラムを越えていたものもあった。素振り用のマスコットバットとほぼ同じ重さである。その重いバットをしっかり振り切ることで打球に勢いが生まれた。
アプローチの仕方は異なるが、メジャーリーグ、NPB、高校野球も打撃力のアップを目指し、投手成績との開きを縮めようとしている。魚雷バットという道具の進化を持ってしても投高打低の流れが止まらないとなれば、ルールを変えるしかない。セ・リーグのDH制導入論が再燃しそうだ。
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