離婚しても縁が切れない…専門家が見た「後悔するペアローン」4つの特徴 “綺麗に別れられない”夫婦が急増する?

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専門家が勧める“現実的な選択肢”とは?

 では、こうした状況に陥った場合、どのように対処するのが現実的なのでしょうか。

 私が実際にコンサルティングの現場で勧めているのは、以下の「3ステップ」です。

(ステップ1)早期に家の「時価評価」と「ローン残債」を整理する
 売却は可能なのか。残債がいくらかになるのか。“数値”で現実を見つめ直す。

(ステップ2)売却して現金化し、ローンを完済して清算する
 これができれば、最もトラブルが少なく、縁もきれいに切ることができます。

(ステップ3)どちらかが住み続ける場合は、済む側が代償金を支払い単独名義に
 特にお子さんがいる場合など、なるべく引っ越しを避けたいと考える人も多いです。金融機関の承認と、住み続ける側の安定収入が条件ですが、事前調整によりクリアできたケースもあります。

 感情ではなく、数字と契約で決めていく。これが「資産」としての家と向き合う方法です。

“家は人生の味方”であるために

 2024年のマンション市場は依然として価格高騰の傾向が続いています。不動産経済研究所の「首都圏新築マンション市場動向(2024年2月)」によると、首都圏では新築マンションの平均価格が約7000万円に達し、東京23区では1億円を超える物件も珍しくありません。

 中古マンションも上昇傾向が続いており、東京カンテイの「月例中古マンション価格(2024年2月号)」によれば、首都圏の中古マンション平均価格(70平米換算)は2024年2月時点で4800万円を超え、前年比で約5~6%の上昇となっています。

 現在の不動産市場では、価格の高騰により多くの購入希望者がペアローンを利用せざるを得ない状況にあります。特に都市部では、単独ローンでは希望する物件の購入が難しいケースが増えています。

 ペアローンの利用者は、共働き夫婦が多く、収入を合算することで借入可能額を増やし、希望の物件を手に入れています。また、住宅ローン控除を夫婦それぞれが受けられるなどのメリットもあります。

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