「画家が絵を描いているというのは錯覚で、絵の運命に画家が操られているのかも…」 横尾忠則が“人生最後のような”個展について語る

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 人生最後とはいいたくないが、まあそのような個展が4月26日から世田谷美術館で開催されます。80代最後の美術館での個展です。

 展覧会名は「連画の河」です。この題名は「連歌」からのパクリです。連歌とは和歌の上(かみ)の句と下(しも)の句を数人でよみ連ねてゆくものですが、僕の絵の場合は先ず一点描きます。この描いた絵からイメージを連想して、次の二点目を描きます。このようにして、三点目、四点目と続けて、とうとう60点描きました。複数の人間が次々と尻取り式に歌を増やすように、ひとりの画家が、自分の絵を尻取りのように連ねていきます。...

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