「雅子皇后が長時間お話しになるので式部職に焦りが」 園遊会の時間不足問題 「急かすようなことは絶対にできない」

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【前後編の後編/前編からの続き】

 天皇皇后両陛下や皇族方が大勢の招待客と歓談される「園遊会」の光景が、今春から様変わりする。皇族方の歩かれるルートが、62年ぶりに変更された。由緒ある社交会が“令和流”に改められた背景には、雅子皇后のご体調があるといい……。

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 前編【「土砂降りの中2時間待機でずぶ濡れに…」「残暑で2人が病院搬送」 令和の園遊会はトラブル続き 今回のルート変更の裏側】では、令和に入ってトラブル続きの園遊会の問題点と、今回改善されたポイントについて報じた。

 これまでの園遊会では、招待客の待機時間が長くなりがちな問題があった。時間不足が問題化していた園遊会を、招待客はどう見たのか。東京23区議長会会長として、昨秋の会に出席した小野瀬康裕・目黒区議会議長が振り返る。

「当日は昼12時ごろ、会場に着きました。園遊会経験者から“両陛下のお声が聞けるよう、早めに良い場所を取れ”と助言されていたため、それに従ったのです」

 お声がけされる可能性がある位置は、テレビに映される特別誘導者の傍などに限られているという。

「4時間立ちっぱなし」

「14時前くらいに両陛下がお見えになりました。相手と目線を合わせて丁寧にお声がけをされ、特別誘導者らの前を通過されるだけでも、1時間近くかけられていました。そんな中で、両陛下が車いすテニスの選手とお話しになっている所に、別の方が割って入ろうとしたのです。すると陛下は動じずに“まだこちらの方とお話ししていますので”と和やかに制止されました。本当に真摯に向き合われているのだなと感じました」(同)

 その後、小野瀬議長にも両陛下からお声がけがあり、すべての皇族方が通り終えられたのは15時半ごろだった。

「かれこれ4時間は立っていました。しかも一度場所取りした人は、そこから動きません。高齢の方、特に遠方からお越しの方は、緊張もあって体調を崩してもおかしくないでしょう」(同)

雅子皇后ご自身による懸命な“ご調整”

 適応障害という病とともに歩まれてきた雅子皇后にとっても、会でかかるご負担は大きいという。

 宮内庁関係者が言う。

「雅子さまは2023年春の“土砂降り園遊会”の時、皇居からのご出発が遅れ、到着予定時刻に間に合いませんでした。昨年のお誕生日に発表された医師団の見解でも『いまだご体調には波がある』と記されています」

 今年はすでに兵庫県や硫黄島などを訪問されご多忙な日々を送られているのだが、それも雅子皇后ご自身による懸命な“ご調整”の成果だという。

「例えば、4月6日に悠仁さまが皇居を訪問され大学入学のご報告をなさった際は、陛下と愛子さまだけが対応され、雅子さまは休まれている。翌日の硫黄島ご訪問に専念なさりたかったのでしょう」(同)

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