「土砂降りの中2時間待機でずぶ濡れに…」「残暑で2人が病院搬送」 令和の園遊会はトラブル続き 今回のルート変更の裏側

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【全2回(前編/後編)の前編】

 天皇皇后両陛下や皇族方が大勢の招待客と歓談される「園遊会」の光景が、今春から様変わりする。皇族方の歩かれるルートが、62年ぶりに変更されるのだ。由緒ある社交会が“令和流”に改められた背景には、雅子皇后のご体調があるといい……。

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 両陛下の主催で、毎年春と秋に赤坂御苑で開かれる園遊会は、1953年に始まった。三権の長や各界の功績者など、約2000名が招かれる。参加者の多くにとっては、一生に一度の機会ともいえよう。

 そんな伝統ある催しが形を改めると報じられたのは、3月17日のことだった。

 宮内庁担当記者が言う。

「園遊会では、両陛下は苑内にある池沿いの小道を歩かれながら、列をなした招待客と歓談されます。これまでは皇族方もその後に続かれる形だったのですが、4月22日に開かれた今春の会から、ルートが三つに分かれることになりました」

 具体的には、両陛下はこれまでと同じ道を歩まれ、秋篠宮ご夫妻は池の周りを両陛下と反対方向へ。愛子さまと佳子さまは、離れた場所にあるテントで参加者と歓談された後、秋篠宮ご夫妻と同じ道をたどられた。

体調不良者が続出

 62年間変わらなかったルートが今回、変更となったのは、

「3月24日にあった宮内庁次長の会見では、従来の形だと招待客が両陛下のお姿を拝するために、長時間道沿いに集中してしまうことを理由に挙げていました。饗される料理や苑内の散策も、もっと楽しんでほしいとのこと。また、体調不良者が続出している状況にも、宮内庁は頭を悩ませてきたのです」(前出の宮内庁担当記者)

 コロナ禍による見合わせもあり、令和の御代替わり以降、開催された園遊会は計4回。それらを振り返ると、トラブルが絶えなかった。

 例えば、令和初となった2023年春の会は、激しい雨に見舞われた。それでも両陛下の前で傘を差すのは恐れ多いからと、多くの招待客がずぶ濡れになってしまったのだ。

「招待客は両陛下からのお声がけを待つ間、2時間近く立ちっぱなしでした。そもそも功成り名を遂げた方々が多く、平均年齢は高めです。結果、体調不良を訴える方が多く出たのです」(同)

「前例主義を重んじる宮内庁にしては、英断」

 昨春の会でも、美術家の横尾忠則氏(88)が体調を崩して倒れるトラブルが起きていた。また同年秋の会は残暑が厳しく、4人が救護所に運ばれ、うち2人は病院に搬送されたのだった。こうした事態を防ぐため、ルートを分散して待機時間を短縮したのだ。

 今回の変更について皇室解説者の山下晋司氏は、

「陛下の理想とされる“国民の中に入っていく皇室”の具体策といえる良い案です。招待客にとっても、両陛下に限らず、皇室の方々からお声がけを受けやすくなります。前例主義を重んじる宮内庁にしては、英断だったと思います」

 そう評価するのだが……。

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