「小泉今日子と中井貴一の空気感に癒される」 ベテランだらけの異色の月9「続・続・最後から二番目の恋」が高視聴率スタート

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小泉の稀有な存在感

「撮影が忙しかったためかもしれませんが、プロデューサー側があえて出さなかった可能性も考えられます。お騒がせのフジテレビに巻き込まれないように……。初回には『月9って何曜日の何時からだっけ?』という千明の自虐的な台詞がありましたが、これこそ月9の古いカラーを捨てる意思表示だったようにも思えます。それに小泉さんは以前、バラエティ番組には『絶対出たくない』と語ったこともあります。ベテラン勢もいくら番宣のためとはいえ、正直そういう気持ちの人が少なくないと思います」

 と語るのは、メディア文化評論家の碓井広義氏だ。ではなぜ、ベテランだらけのドラマの数字がいいのだろう。

「私もこのドラマは楽しみにしていた1本で、見終えてホッとしました。11年ぶりの新シリーズとなりましたが、千明も和平も基本的に変わっていなかったからです。小泉さんや中井さんがドラマの役柄と同じ年齢というのもキャラが重なって奥行きを感じます。もちろん脚本の岡田惠和さんは、年を重ねての変化、職場での役割、仲間たちとのプライベート、一人の時の自分を階層的、重層的に描き分けています。会話もドラマというより日常的ですが、ロマンチックなところもありつつ年を取るという不安や心配も差し込んでいる。恋愛関係もありながら、ある程度の距離を保ちつつ、喧嘩しながらも相手を心配する距離感、その空気感に癒されました。これは若手では出せない味だと思います」(碓井氏)

 ひょっとして、シニア層だけが見ているということだろうか。

「もしかしたら若い人も見ているかもしれません。出演者たちは素敵な中年、シニア層ですから、自分のちょっと先のケーススタディとして人生の教科書的に見ているかもしれません。中でも小泉さんは、昨年9月期に放送された『団地のふたり』(NHK BS)でも見せた力の抜け加減がいい。無理をしなくてもよく見える独特の余裕があります。今や元アイドルも役者も超えた稀有な存在です。“小泉さんの生き方”がドラマ化されているようにすら思えます」(碓井氏)

 それにしても、11年ぶりというのは間が空きすぎではないだろうか。

「2~3年ごとにやってくれてもいいと思いますけどね。スケジュール的に難しいのなら、年に1回のスペシャルものでもいい。そうなればフジの名作ドラマ『北の国から』の鎌倉版になり得るかもしれません」(碓井氏)

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