「また行きたい」けど「二度とゴメン」愛憎の大阪万博 感動したのは砂と寿司

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圧巻だったのは「くら寿司」

 これに対し、万全の状態で開幕を迎えたのは、セブン-イレブンやローソンなどのコンビニを含む出店する民間企業である。

 中でも圧巻だったのが「くら寿司」だ。会場の外れ、大阪湾に面した西端という立地の悪さから集客の苦戦も予測されていたが、蓋を開けてみれば大人気で、しばらくは予約が取れない状態が続いているという。

 好評を博しているのは、世界70の国や地域の代表的な料理を展開する企画で、うち25ヶ国は大使館と連動して商品開発をしたメニューもある。たとえばハンガリーからは「鴨のロースト トリュフソース」、トーゴ共和国の「アジデジ(ピーナッツソースをベースにした煮込み)」など日本ではあまり知られていない料理を一度に味わえるのは本当に素晴らしい。テーマは「回転ベルトは、世界を一つに。」。寿司以外の料理を回すという発想が、新たな展開を予感させた。この「寿司&世界料理」の店舗は、ぜひ万博だけにとどまらず、大都市圏にあるくら寿司のフラッグシップ店でも展開して欲しい。万博が、日本の企業の底力を世界に知らせる機会ともなっている。

 予約が取れず、筆者は日本館を見る事は叶わなかったのだが、パビリオンでも日本の良さがインバウンド客に伝わっていることを切に願う。世界を驚かせたチームラボのような、アートとテクノロジーの融合を見せたブースもきっと多かったはず。再びの万博来訪が叶えばぜひ行ってみたいと思う。

 最後に……またアプリの愚痴になってしまうのだが、会場が広いあまり、スマホの画面では会場図を表示しても小さすぎ、全体やパビリオンの場所が確認しづらい。行かれる方は紙で会場図を印刷して持っていったほうがよい。あとスマホで写真を撮りまくることになると思うので、充電器は予備も含めて持って行くのをお勧めします。

渡辺広明(わたなべ・ひろあき)
消費経済アナリスト、流通アナリスト、コンビニジャーナリスト。1967年静岡県浜松市生まれ。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長、スーパーバイザー、バイヤーなどを経験。現在は商品開発・営業・マーケティング・顧問・コンサル業務などの活動の傍ら、全国で講演活動を行っている(依頼はやらまいかマーケティングまで)。フジテレビ「FNN Live News α」レギュラーコメンテーター、TOKYO FM「馬渕・渡辺の#ビジトピ」パーソナリティ。近著『ニッポン経済の問題を消費者目線で考えてみた』(フォレスト出版)。

デイリー新潮編集部

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