31歳バースデーに大乱調「藤浪晋太郎」 “実際に投げてみないと分からない投手”からの「再生プラン」はあるか

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上位3位を藤浪が独占!

 藤浪はオープン戦終盤まで開幕ロースター入りを争っていた。「マイナー降格」を通達されたのは3月22日。アスレチックスとの開幕戦が5日後に迫っていたことを考えれば、ギリギリまで当落ラインに残っていたことは間違いなく、ダン・ウィルソン監督(56)を悩ませたのは間違いないようだ。

「マリナーズの昨季のチーム防御率は3.38で、ア・リーグ1位でした。その顔ぶれはほとんど変わっていません。でも、昇格のチャンスは残っていました。リリーバーのマット・ブラッシュ(26)が昨年5月にトミー・ジョン手術を受け、復帰が5月以降になりそうで、グレゴリー・サントス(25)が昨季は不振でした。リリーフ2枠が空いており、地元メディアもFUJIの当確を予想する記事を何回か出していました」(前出・同)

 その理由はデータにあった。公式記録ではないが、米スポーツメディア「The Athletic」や「Fan Sided」などがオープン戦中の速球王ランキングを掲載。平均球速ではなく、登板した各投手が投じたボールを1球ごとに順位付けたもので、一時期、98マイル以上を連発した藤浪が1、2、3位を独占していたのだ。いくら速くても、ストライクカウントにならなければ意味はないが、「なんとかなるのでは?」「大化けするかも」と、地元ファンやメディアに印象付けていたのである。

 また、マリナーズの指揮官がウィルソン監督であることも「追い風になる」と言われていた。同監督はマリナーズのOBであり、現役時代のポジションはキャッチャーだ。佐々木主浩氏(57)、マック鈴木氏(49)、長谷川滋利氏(56)、木田優夫氏(56)らと何度もバッテリ-を組んでおり、日本人投手の特徴を熟知している。

「繊細。内向きに考えてしまうところがある」

 これは、藤浪の“メジャー最終登板”となった3月21日のロイヤルズ戦後、ウィルソン監督が藤浪について聞かれたときに答えたコメントだ。やはり、「1回無失点」と記録上では好投だが、ヒット、暴投、四球で満塁までピンチを広げていた。ヒヤヒヤのピッチングでも0点に抑えた投手をどう評価しているのか、地元メディアは開幕ロースターに生き残る投手は誰なのかを探る意図で質問し、「繊細」と返したそうだ。

「シアトルの地元ラジオ局『Seattle Sports』に、マリナーズのピート・ウッドワース投手コーチ(36)が出演し、彼のことを『delicate』とか『sensitive』と評していました。球速ランキングで一人で上位を独占する剛速球があるのにもったいない、というニュアンスでした。マイナー落ちが宣告されたのは、無失点に抑えたロイヤルズ戦の翌日でした」(前出・地元メディア)

 ウィルソン監督は現役時代の経験から「日本人投手はデリケートな性格である人が多い」と感じており、ウッドワース投手コーチと共有してきたのだろう。

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