“彼女”の足音を聞いただけで涙が止まらなくなり… 「国民民主党」パワハラ騒動 被害を訴える女性市議の告白 医師の診断は「適応障害」、それでも公認料80万円の返金を求められ
岡野議員、県連の回答は
そこで、工藤氏は面識のあった玉木雄一郎代表の秘書に連絡を取り、状況を訴えた。すると、サインや返金はしなくて良いという返事が来た。しかし、一方で県連からはサインと返金を求める声が来て、事態は膠着状態となっているという。
また、県連では、工藤市議の離党届提出に伴い、その是非を論じる倫理委員会が開かれた。本来なら、その場で工藤市議の「パワハラを受けた」との主張についても、十分な事実確認が行われるべきだったが、それはなかった。
「“パワハラはなかったということでよろしいですね”というような感じで軽く議論が終わってしまったようです。しかし、倫理委員会の委員長は天野幹事長。私が『パワハラを受けた』と訴えている相手です。それが委員会のトップでは、うやむやになってしまうのは当たり前です」
さらには、その後、千葉県連の3人の県連所属の県下地方議員が党を離れることに。榎本怜県議会議員(野田市選挙区)と、市川市の石崎英幸市議には「同僚議員への誹謗中傷」を行ったとして離党勧告が出され、印西市の都築真理子市議は自ら離党した。それぞれ直接の原因となる事象は異なるものの、これら3名の議員の共通項はいずれも工藤市議と親しく、岡野議員とのトラブルが起きた後も、工藤市議サイドに立った言動を行ってきたこと。そのため、3名が相次いで党を離れた遠因には「パワハラ騒動」と一連の対応の不備もあると指摘する声が出ている。工藤市議を含む4名の離党で、千葉県内で国民民主党の地方議員は12名から8名と、3分の1が減少したことになる。
改めて、工藤市議に本件についての思いを聞くとこう述べた。
「何より、私の離党に関して何があったのかということをしっかりと明らかにしてほしいと思います。その上で、岡野さんや千葉県連幹部らの対応についても、その地位にふさわしいものであったかということをしっかりと判断してほしい。玉木代表も本件について知りながら、事実関係についてリーダーシップを取って解明に動いているようには見えませんでした。実は離党届を出した後、一度、玉木代表に挨拶をしに伺ったことがあるんです。代表は“何とかならんか? 何とかするから”と言っていましたけど、その後、本件について積極的に事実解明する姿勢を感じられませんでした。党にはしっかりとした調査をお願いしたいです」
一方、告発された岡野議員の事務所に聞くと、こう回答した。
「お問い合わせの件につきましては、具体的な例につきましてはそのような事実がございません。また、岡野自身の受け止めにつきましては現在党による調査中のため、軽々と発言出来ない状況にございますのでお汲み取り頂けますと幸いです」
千葉県連は、天野幹事長名で以下のような回答があった。
「現在、国民民主党本部の倫理委員会においていただきました質問書にある内容も含めて事情聴取をおこなっているところであります。千葉県連として回答を行うと混乱することが想定されますので、対応は控えさせていただきます」
少数与党の政権運営が続く中で、ますます存在感を増していく国民民主党。しかし、本件の今後の対応いかんでは、そのガバナンス体制が根本的に問われる事態となりかねない。
【前編】では、岡野代議士による無視やマイクを隠すといった言動や、県連の天野行雄幹事長や千葉県電力総連幹部から執拗なダメ出しが続いたこと、その結果、工藤市議は瞼が痙攣、涙が止まらなくなり、吐き気をもよおすようになったことなどを詳報している。
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