“彼女”の足音を聞いただけで涙が止まらなくなり… 「国民民主党」パワハラ騒動 被害を訴える女性市議の告白 医師の診断は「適応障害」、それでも公認料80万円の返金を求められ
国民民主党の千葉県連で起きた「パワハラ」「いじめ」騒動。現職の浦安市議が、岡野純子代議士(46)らから「パワハラ」「いじめ」を受けたと訴え、その影響で離党。さらに3人の議員も党を離れる騒ぎとなっているのだ。当の浦安市議にインタビューし、その主張を聞いた。
【前編】では、岡野代議士による無視やマイクを隠すといった言動や、岡野氏の衆院選選対で、県連の天野行雄幹事長や千葉県電力総連幹部による執拗なダメ出しが続いたことを詳報した。その結果、市議は瞼が痙攣、涙が止まらなくなり、吐き気をもよおすようになったという。【後編】では、精神科を受診、そして離党から現在に至るまでの経緯を詳述する。
【前後編の後編】
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【写真を見る】“パワハラ被害”を申し立てられている岡野純子衆院議員
この騒動は既に地元紙はじめ複数の報道機関が報じ、党本部がハラスメント対策委員会と倫理委員会の合同チームを立ち上げ、調査することも決まっている。
被害を訴えているのは、浦安市議会議員の工藤由紀子氏(47)。工藤氏は2023年4月の市議会議員選挙に国民民主党から出馬し、当選したものの、昨年6月に離党届を提出している。
「さまざまな症状が出たのを聞いた知人が、精神科の先生に相談してくれました。すると、すぐに病院に行きなさいと言われた。それでも仕事があるし、精神科も知らない。でも、先生に“そこまでの症状が出るのは重症だよ”と言われて。そこで、とるものもとりあえず病院に診察を受けに行きました」
昨年5月のことである。
「症状を言って、これこれこうした時に出るんですと伝えると、それはもう原因がはっきりしています。そこから離れるしかない、すぐに離れてくださいと言われました。2~3カ月は休まないと、とも。それでも、総選挙までそう時間が残っていない中、選対から事務局長が抜けるわけにいかない。何とか頑張ろうと思いましたが……」
ある選対会議でのこと。
「先に部屋に入って待っていたら、岡野さんと電力総連の幹部さんが下から上がってくる足音が聞こえてきた。そうしたら涙が止まらなくなって。まずいと思って慌てて部屋の外に出て、会議開始時間まで顔を合わせないようにしました。会議中も涙は流れっ放しでした」
ここまで来たらより症状は悪化すると思った工藤市議は離党を決意。6月、竹詰仁・県連代表(参議院議員)に離党届を渡したという。
80万円の返金
岡野氏の選対の職務は全うできなかった。しかし、これで本来の市議の仕事に邁進できる――そう思った工藤市議。しかし、その後の7月、県連に呼び出される。そして告げられたのは、
「念書にサインをせよ、と。念書の内容は『他党には移らない』ですとか、『本件を他言しない』『党を誹謗中傷しない』といったものでした」
それに加えて、
「公認料の80万円を返金せよ、とのことでした。しかし、これには納得できませんでした。確かに市議選の前に公認を受けた時、離党する場合は返金という決まりがあり、それにサインをしたのは事実です。しかし、一方で、私は県連所属の幹部らによるパワハラ被害を受けた。望んで離党したかったわけではないんです。それについてのフォローは一切ないのに、こちらにだけ非があるような対応に映りました。そこで、サインを保留し、改めて被害を訴えました。それでも、県連は“あなたが具合が悪くなってやめるんでしょ”“戦うんですか”といった対応でした」
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