「中国に関税をかけるのは分かるけど…」ケント・ギルバート氏が語る相互関税 「トランプさんの行動は米国人から見ても理解不能」

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「アメリカ人から見ても、トランプさんのやり方は『違う』」

 アメリカ国内を見ても、国民が一番気にしているのは長年苦しめられてきたインフレですよ。関税引き上げはインフレに直結する可能性が高い。トランプさんは“関税で産業界の景気が刺激されるから大丈夫”と言うけど、一番の刺激策は減税です。本来それを真っ先にやるべきで、実際に第1次トランプ政権では、減税後に一部の国へ関税をかけて、財源にするという順番でやっていました。

 だからアメリカ人の側から見ても、関税そのものをダメとは言いませんが、トランプさんのやり方とタイミングは違うと思います。取りあえず最終判断をしばらく保留にしますが、端的に言って僕は現時点では納得していないし、荒っぽすぎると感じていますよ。

 前編【「シンゾーは理解してくれていた」は真っ赤なウソ 元駐米大使が明かす交渉のウラ側 「安倍さんが追加関税に理解を示したことは全くない」】では、トランプ大統領が相互関税について語っている「シンゾーは理解してくれていた」という言葉について、元駐米大使・杉山晋輔氏に当時の交渉の裏側を語ってもらっている。

ケント・ギルバート カリフォルニア州弁護士

週刊新潮 2025年4月17日号掲載

特集「狂気のトランプ関税 私はこう考える」より

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