「大谷翔平」打撃好調で気になる「投手復帰はいつ?」 ドジャースを慎重にさせる「打者・大谷」の存在感と「3度目のリスク」
ドジャースは大谷のチーム
ドジャース・佐々木朗希(23)が先発した4月12日(現地時間)のカブス戦は、救援陣が炎上してしまい、0対16で大敗した。しかし、このゲームで改めて印象付けられたのは「ドジャースは大谷翔平(30)のチームである」ということだ。
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「注目の佐々木が本拠地で先発すると予告されていたため、ドジャースタジアムは約4万7000人が集まる満員状態でした。でも、観客が席を立ったのは佐々木が降板したときでもなければ、リリーフ陣が炎上したときではありません。8回裏、野手のミゲル・ロハス(36)が次イニングの投手起用を見据えて、代打準備をしているのが見えたときでした」(米国人ライター)
8回裏のドジャースの攻撃が始まった時点でのスコアは「0対11」。それでもドジャースタジアムに集まったファンが帰らなかったのは、大谷にこの日4度目の打席が回ってくると思っていたからだ。ところが、このイニングの先頭打者、アンディ・パヘス(24)が空振り三振。9番打者のオースティン・バーンズ(35)の打席中、大谷ではなく、ロハスがバットを持って現れたのだ。
ワンサイドの敗戦ゲームで野手が投手起用されるのは、メジャーリーグではよくあること。ファンはロハスの次イニングの登板に理解を示していたのでブーイングは起きなかったが、ガッカリといった表情で席を立ったそうだ。
たとえ大差で負けていようと、その打席を見届けるまで帰らない大勢のファン。まさにドジャース=大谷と言っても過言ではない現象が現地では起きている。
そんな大谷に対し、米国のファンも首を傾げていることがある。二刀流の復活、つまり投手復帰がいつになるのか、分からなくなってしまったことだ。
「マーク・プライアー投手コーチ(44)は、『日本遠征から帰ったらギアを上げるよ』と言っていましたが、4月に入ってもその気配はありません」(現地メディア関係者)
「東京シリーズから帰国後に投球練習」の発言が出たのは、3月上旬だった。当初、大谷の投手復帰は「開幕戦には間に合わないが、4月中か遅くても5月上旬には」と囁かれていた。しかし、複数の米メディアはチーム編成の最高責任者であるブランドン・ゴームズGM(40)のコメントを機に「投手復帰の大幅な遅れ」を勘繰るようになった。
ゴームズGMは東京ドームでの開幕2連戦前、You Tubeの人気スポーツ番組「Foul Territory」に出演し、投手・大谷の復帰時期について質問を受けている。ストレートに「いつ復帰するんだ?」と聞かれた同GMは、
「(二刀流は)明らかに特殊ケースだし、彼は唯一無二の存在。だから、たくさん話し合ってきたよ。投手として戻ってくるときには、しっかりとした土台ができているのかどうか、きちんと確かめなければならない。確かめながら進めたい」
と返した。理路整然とした口調だったが、肝心な時期については答えていない。「柔軟に対応していく」とも付け加え、こう続けた。
「試合で最高のバッターの一人を失うわけにはいかないからね。一貫して取り組める方法を用意しようと思っている」
ド軍は慎重になりすぎている?
また、こんなこともあった。スプリングトレーニング中に遡るが、3月7日に予定されていた大谷のライブBP登板が突如、中止となった。この実戦形式の登板はどのレベルにまで回復してきたのかを図るうえで重要なバロメーターとなる。かけ付けた大勢のメディアを前に“ドタキャン”されたのは既報通りで、同日の監督会見もそのことに質問が集中した。デーブ・ロバーツ監督(52)は、
「慎重に(復帰までのプログラムを)進めたい。大谷が予定より早く回復していると感じたとしてもだ。彼は回復が早い選手でもあるが……」
と説明したが、ライブBP登板が中止になった後の大谷の行動が気になった。
「室内練習場に行き、マシン相手に軽めの打撃練習をやっただけ。15分程度で切り上げてしまったので、大谷自身も登板中止を当日に指示されてほかにやることがなかったのだと思います」
現地入りしていた米国人ライターがそう言う。以後、大谷はブルペン投球も行っていない。一昨年10月にメスを入れた右肘は順調に回復しており、投球練習後に「腫れが出た」などのマイナス情報も一つも出ていない。「ドジャースが慎重になりすぎている」というのが米メディアの大方の見方だ。
「投手調整に失敗してケガでもしたら、打者・大谷を失うことになります。ドジャースはその一心で慎重になっているんだと思われます」(前出・米国人ライター)
この日、ロバーツ監督は大谷の復帰時期について「以前は『5月が妥当』と話していたが?」との質問も受けている。その予定に変更はないのかの意味で問われたが、「それは楽観的な目標を挙げただけ」と否定し、ちょっと間を置いてから、
「そういった目標の全部が計画通りに行ったらの話だよ。野球の話だし、試合があって、移動もある。大谷は復帰するときには復帰するよ。絶対にこの日というのはないと思う。我々(コーチ陣)やスキル担当のスタッフは、良い日を積み重ねていこうって感じ。準備ができたら、そのときが復帰のときなんだ」
とはぐらかした。ペナントレースが始まって約2週間が経過したが、プライアー投手コーチの言っていた「東京シリーズ後の投球再開」も実現されていない。また、試合前練習も“打者調整”だけだ。
壁当てやメディシンボールを使っての練習、長い距離でのキャッチボールをする姿も目撃されていない。打者・大谷は試合前、映像室にこもって対戦投手のデータ収集に時間を掛けている。3月27日、ドジャースタジアムでの国内開幕戦後も“投手練習”は中断されたままだ。
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