矢沢永吉が76歳で東京ドーム公演 業界から懸念の声「客席は埋まるのか」 伝説のロックバンド・KISSはガラガラの過去

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飛んだり跳ねたり

 血糊を吐き出すパフォーマンスで世界を熱狂させたボーカル兼ベースのジーン・シモンズは当時73歳。最後の東京ドーム公演が“地獄”のような変わり果てた光景になってしまったのは気の毒でしかない。米歌手、ビリー・ジョエル(75)が昨年1月に行った一夜限りの東京ドーム公演が、大盛況だったのとは対照的だ。ただ、案内スタッフはこの関係者に「名の知られたアーティストでも観客席が埋まっていないケースはあります」とこっそり明かしていたという。

 国内ではフォークソングブームの一時代を築いたシンガー・ソングライターの吉田拓郎(79)が2022年に音楽活動からの引退を発表。吉田と同時代を生きた元かぐや姫の南こうせつは76歳の今でも現役で活躍し、昨年末にはNHK「紅白歌合戦」にイルカ(74)と出演している。

 南とイルカは岡林信康、きたやまおさむ、清水ミチコ、杉田二郎、森山良子らと一緒に2023年9月に「あの素晴しい歌をもう一度コンサート」を開催しているが、会場となった東京国際フォーラム(東京・丸の内)Aホールの収容人員は5000席。東京ドームの10分の1でしかない。他に高齢歌手としては小田和正(77)が明治安田生命とのタイアップで5月から全国ツアーを行う。首都圏での会場となる有明アリーナ(東京・江東区)の収容人数は約1万5000人、さいたまスーパーアリーナ(さいたま・中央区)は約3万7000人だ。

「矢沢は昨年11月から年末にかけて、8都市を巡る全17公演のアリーナツアーを開催。『YAZAWA』のステッカーを貼ったファンの車が全国から駆け付けました。ただ東京会場は日本武道館4daysで収容人員は8000人から1万人ほど。東京ドームの5分の1以下です。南こうせつや小田和正は歌唱がメインなので体力をセーブできます。一方、矢沢はロック歌手なので走ったり、飛んだり跳ねたりのステージングが必須。ステージの横幅が広い東京ドーム公演は、開催時76歳になる矢沢にはハードルが高いかもしれません」

 スーパースターを夢見ていた矢沢は高校卒業と同時に、18歳で地元の広島から夜行列車に乗って単身横浜に移住。数々の職を転々としながらロックバンド・キャロルを結成し大成功を手につかんだ。ソロになってからは“ロックの王者”と呼ばれ、1978年の大ヒット曲『時間よ止まれ』は同時代を生きた中高年の記憶に今なお鮮烈に残っている。

「矢沢は今回の公演で有終の美を飾り、引退宣言をする可能性も取りざたされています。国内ドーム最大規模の東京ドーム公演を成功させて、“BIG”な姿を歴史に刻んでほしいものです」(前出の音楽ライター)。

 限界に挑み続ける矢沢。果たして満員御礼となるのか。

デイリー新潮編集部

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