まるで闇カジノ…六本木のアミューズメントカジノで「高額ポーカー賭博」が横行 店から借りた「負け金250万円」を踏み倒す決意をした会社員の告白

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 オンラインカジノの次に取り締まりの対象になるのではないかーー。警察関係者の間でこう囁かれているのが、この数年繁華街で急増してきた「アミューズメントカジノ」という業態である。表向きは「金を賭けない」ゲームセンターのような遊び場となっているのだが、一部店舗では「実質的な賭博」が行われ、鉄火場と化しているのである。記者の前に現れたのは、六本木の店舗で「たった2晩の間に750万円も負けてしまった」と途方に暮れる20代の若者だった。(全3回の第1回)

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若者の間で「ポーカーブーム」が起きているウラで…

「完全に熱くなっていました。330万円勝ったと浮かれていたら、一晩で150万円も失ってしまった。一旦自宅に帰ったものの、取り返さねば、とほとんど寝ずにまた店に舞い戻ってしまい…」

 Aさんは悪夢のような3日間をこう振り返る。彼が地獄を見たギャンブルは、今若者の間で大流行している「ポーカー」である。

 ポーカーはこの数年で日本にじわじわと浸透してきたカジノゲーム。主流となっているのは、手札2枚と5枚のコミュニティカードを使って役の高さを競い合う「テキサスホールデムポーカー」というゲームで、運だけでなく頭脳を駆使する駆け引きが魅力と言われている。

 業界関係者は「ポーカーで夢を追う若者が増えてきた」と語る。

「ポーカーサークルがある大学も増えています。覚えたての若者たちが憧れるのは、『ポーカープロ』を名乗り、海外のカジノに通うことを仕事と称して煌びやかな暮らしを披露しているYouTuberたち。近頃は『僕、就職はやめてポーカープロになるんだ』と言い出す大学生まで出てきています」

表向きはゲームセンターと同じで「換金できない」

 ポーカーを覚えた若者たちがまず門を叩くのが「アミューズメントカジノ」だ。20年くらい前まで、ポーカーができる店舗は都内で数軒ある程度だったが、現在は都内100店舗以上、全国で500店舗以上まで増えてきた。

「ゲームセンターと同じく、風営法5号営業店として公安委員会から許可を受けて営業しています。当然、金品を賭けるのは御法度。ただ何も賭けないとゲームが面白くないので、これまでは店舗内で使えるポイントや国内や海外で行われるポーカー大会出場権などを賭けたゲームが行われていました」(前出・業界関係者)

 だが、1年くらい前からウェブコインというデジタル通貨が業界内で流通し始めたことをきっかけに、一部店舗では数十万、数百万単位の金が動く賭博場と化してしまったのである。

 Aさんはそんな鉄火場が待ち受けているとは知らずに、アミューズメントカジノ通いを始めてしまった一人。ポーカーを覚えたのは、就職して1年が経過した2023年3月、大学の先輩に新宿にあった店に連れて行かれたことがきっかけだった。

「高い役を鮮やかに作った時の嬉しさ。ずっと勝てなかった相手に初めて打ち負かした時の快感。気づけば週に何度も通うようになっていました」(Aさん、以下同)

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