大切なのは「会った後」 本物の人間関係を築くために必要なアフターケア
【全2回(前編/後編)の後編】
会食や打ち合わせで、大いに会話が盛り上がった。この人とは、今後も良いお付き合いをしたい――そう感じた場合、次のステップとして具体的に何をすべきでしょうか。
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コネゼロ、知名度ゼロから多くの著名人を含む2000人以上への取材を成功させたプロインタビュアー・早川洋平氏がいつも実践している「お礼の仕方」とは? (引用はすべて早川氏の著書『会う力 シンプルにして最強の「アポ」の教科書』より)
周囲の方にもお礼を忘れずに
秘書の方や広報のご担当者、ご紹介者がいれば、そうした方たちにもなるべく早くお礼をお伝えしましょう。僕たちはどうしてもお目にかかったご本人に意識が向きがちです。その面談実現のために汗をかいてくださった方がいることを決して忘れてはなりません。それに、もしあなたがお相手の立場だとしたら――自分はもちろん、自分が大切にしている人たちにまで気配りしてくれる相手をどう思うでしょうか。
書く内容はお相手の場合と同様、非常にシンプルなもので構いません。大切なのは感謝の意を伝えること。そのため「はがき」でお礼状を出すのがおすすめです。
非常に短い分量しか書けないからこそ、内容や言葉づかいを吟味できますし、受け取ったお相手も負担に感じにくいと思うからです。大型文具店にいけば、シンプルで素敵なデザインのものがあるので僕は定期的に3~4種類購入し、切手とともにいつも携帯しています。
お礼はメールと手紙をセットで
時折「先方やスタッフの方は国内外を飛び回っている方。手紙はご覧になられない可能性があるのでメールではダメですか?」と聞かれることがあります。もちろんOKです。きちんと手元に届き、ストレスなく受け取っていただける媒体なら、極端にいえば何でも構いません。
ですが、僕はどんなお相手であっても、メールとあわせてお手紙も書くようにしています。ご多忙な方であればあるほど、メールだと受信ボックスの中で埋もれてしまう可能性がありますし、トップランナーや経営者の方だとそもそもいただいた名刺のメールアドレスは対外的なもので、主に閲覧しているのはご本人ではなく秘書の方だということも少なくありません。その点、手紙なら、遅かれ早かれお相手自身に届く可能性が高いと経験から感じています。
もちろん、手紙でもメールでも感謝は簡潔に述べるに留め、お相手やスタッフの方にご負担を感じさせない配慮は必要です。質問したり、提案したりするなどもってのほか。それらは改めて別の機会に、と考えましょう。
お相手へのホウレンソウも必ず
「報連相(ホウレンソウ)」は、お目にかかったお相手と関係を深めていく際にも有用です。
面談時にお相手の役に立てそうな企画をご提案する約束をしたならもちろんのこと、面談についてのフィードバック以外にも先方から何らかの助言をいただいた場合は、実践した結果に関するご報告も欠かさないようにしたいもの。ホウレンソウは、お相手とのコミュニケーション頻度や深度を高める貴重な機会だとぜひ心に留めていただけたらと思います。
直接連絡先を交換していないのであれば(著名人や大企業の経営者の場合は少なからずこうしたケースがあります)、秘書や担当の方を通じてでも構いません。
彼らの助けを借りて間接的に連絡した方が上手く運ぶケースも少なくありません。
「初めてのお誘い」は断らない
「そういえば、来週パーティがあるのでよろしければいらっしゃいませんか? ご紹介したい方もいますし」
「来月展覧会を開きます。よろしければご招待しますので仰ってください」
お相手がビジネスパーソンやアーティストなど、交流やお披露目の場を催すことが多い業種や職種の方の場合、対面時はもちろん、後日ご本人やスタッフの方からこうしたお誘いをいただくことがあります。
僕はお相手からの「初めてのお誘い」は他の用事より優先して参加させていただくようにしています。再度お目にかかれるありがたい機会ですし、何よりわざわざ声を掛けてくださった気持ちにお応えしたいですよね。
人が多いところは苦手。正直内容もあまり興味がわかないし、超絶的に忙しいので今回はパスさせていただこうか。また機会はあるだろう――。そう思う方もいらっしゃるかもしれません。ですが、もしあなたがお誘いする側で最初のお誘いを断られたらどうでしょう。理由はどうあれ、僕ならその後、誘いにくくなってしまうと思います。せっかくお相手の方から縁を深めるためのファーストコンタクトをとってくださっているのに、こちらから断ってしまうのはあまりにもったいない。
とはいえ、お誘いいただいた日時に重要な先約が入っていたら……。長年僕もこの問題に悩まされてきました。しかし、ある対談でご一緒させていただいた際に、コシノジュンコさんが一発回答してくださいました。
「そんなの両方出ればいいじゃない。途中退席、途中参加になったとしても、お相手は来てくれたら喜ぶと思うわよ」
目からうろこでした。あれだけ多忙なコシノさんが各界に幅広い人脈を築いていらっしゃるのは、彼女の人望や人徳はもちろん、お相手すべてを大切にする行動の積み重ねの由縁だと恐れ入りました。
以来、僕も大切なお誘いが重なった場合、どうにかして両方に参加することを心がけています。タクシーはもちろん、遠方の場合は新幹線や飛行機を使うこともあります。それぞれ最初と最後の10分ずつしか参加できなかったこともあります。
それでも、コシノさんが仰っていたように、むしろ先方の多くは「わざわざ忙しいなか足を運んでくれてありがとう」と喜んでくださいました。お相手とのご縁を紡げると思えば、これほど意味のあるお金の使い方はないと個人的には思っています。
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