石破首相が「またあきらめた」 麻生元首相が必死で止めた「談話発表」
安倍氏による70年談話の内容が
政治部デスクによれば、
「記事にある通り、麻生氏をはじめとして各方面から石破氏に戦後80年談話の回避を働きかけるアドバイスがあったそうです」
「説得の内容をざっくり言うと“安倍氏が大変苦労してまとめた70年談話の内容が絶妙でこれ以上のものを出すのは難しい”というものだったようです」(同)
安倍氏の出した談話はそれまでの村山首相による戦後50年、小泉首相による60年談話と違って一部から「未来志向」と評価された。
「安倍氏の談話は、いかなる武力の威嚇や行使も国際紛争を解決する手段として選ぶべきではない、日本は第2次大戦での振る舞いについてお詫びを重ねてきた、これからの世代に謝罪を続ける宿命を負わせるべきではない……などといった内容で、謝罪やおわび、反省を述べた50年、60年談話とは趣を異にしています。石破氏は当初、毎日新聞の報道の通り談話を出すことに意欲を見せていたようですが、最終的には説得を受け入れたとのことです」(同)
岩盤支持層が離れかねない
先の戦争についての見解は自民党内であっても、人によってかなり異なる。それをあえて刺激することにはリスクが伴う。「あの戦争は無謀だった」といった常識的な見解ですら、反発する向きが現れかねない。かくして、石破氏はまたしても、やりたいことをあきらめさせられたというわけである。
「石破氏に最も響いたのは新たに談話を出し、それが70年談話と齟齬(そご)があるようなら政権の火種になることは確実だということです。そうなると、ここ最近、自民党や内閣支持率が低下してもブレずに支持して選挙で投票してきたいわゆる岩盤支持層が、さらに離れかねないとの懸念を伝えられて、心が動いたということのようです。各方面からさまざまな説得工作がなされたと言います。談話を出すか否かの判断は7月投開票予定の参院選の結果に直結し、政権の命運がかかっていることは明白で、石破氏としては政権維持のために打ち出すべきこと・打ち出すべきではないことを冷静に考えたということなのかもしれません」(同)
80年前の敗戦に関する談話にこだわりすぎると、党内で新しい戦いが起きかねない――大きな火種となりそうな問題を回避でき、関係者らはホッと一息ということのようだが、米国のトランプ大統領が打ち出した関税政策への対応は新たな火種となりそうだ。
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