日テレ「夜ふかし問題」が“春の目玉番組”に飛び火か… 「編成幹部らは頭を抱えています」
番組の名物企画だった街頭インタビューを中止する事態へと発展した、日本テレビ「月曜から夜ふかし」の“捏造編集”問題。すでに「BPO（放送倫理・番組向上機構）案件化は必至」といわれる中、騒動は同局が勝負に出た春の番組改編にまで飛び火しそうだ。
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都合良く“切り取り”
〈番組の編集で実際お話しした内容と全然違うこととなり、私本人に相当悪い影響を与えているためご連絡いたします〉
問題発覚の端緒となった、番組内で発言を改変された中国出身女性が、放送直後に日テレ側へ送ったとされる抗議文の一部だ。
3月24日、同番組でこの女性の街頭インタビューを放送した際、中国にカラスが少ない理由として「みんな食べてるから」「とにかく煮込んで食べて終わり」といった発言を紹介。ところが実際は、
「まったく別の質問に対する答えを意図的につなぎ合わせ、カラスの話として見せていたのです。“みんな食べてる”は、彼女の“中国では小鳩を食べることがあって、それで鳩が少ないのかも”と話した内容を都合良く切り取っていました」（日テレ関係者）
さらに“煮込んで終わり”発言も、家で何を食べているかを聞かれた女性が「鍋が好きで食材を入れて煮込んで終わり」と答えたものに過ぎなかったという。
日テレは同月31日、定例会見で、福田博之社長が「演出の範囲を超えており、あってはならないことだ」と陳謝。そして番組名物の街頭インタビューを「一切やめている」と明かした。
「その3日前には村上誠一郎総務大臣が“放送事業者の社会的役割を自覚”するよう、日テレに異例の苦言を呈しました。早くも放送倫理違反を調査するBPO案件化は不可避とみられている一方で、実は局内でいま、より深刻な問題が持ち上がっているのです」（同）
「夜ふかし」の総責任者
別の同局関係者が語る。
「『夜ふかし』の総合演出を務めるのは“バラエティー畑のエース”と呼ばれる古立善之氏（50）です。彼は『世界の果てまでイッテQ！』の演出も担当し、『夜ふかし』と共にコア視聴率トップ2の看板番組で総責任者の立場にある実力者です」
その古立氏は過去のインタビューで、夜ふかしのスタッフについて「うまいことギリギリ突っ込んで話を引き出すディレクターがいる」と信頼を寄せていたが、
「福田社長が会見で“スタッフが面白いものにしたいという思いから意図的に編集したことが原因”と話した通り、VTRの採用基準は“面白さ”優先だったといいます。そして採用の可否を決め、内容の最終チェックをするのが古立氏でした。2018年に総合演出を担当する『イッテQ』の企画でヤラセ疑惑が浮上したこともあり、彼は今回でレッドカードとなるでしょう」（同）
4月から日テレは、水曜ゴールデン帯の顔だった「1億人の大質問!?笑ってコラえて！」の枠に、深夜番組だった「千鳥かまいたちゴールデンアワー」を持ってくる大勝負に出たが、
「失敗は許されないということで、千鳥＆かまいたちの新番組の演出に古立氏が抜てきされました。しかし目玉番組の大役に“そんな人物を据えるのはマズい”との声が出ている。編成幹部らは頭を抱えていますよ」（同）
日テレに古立氏の処遇などについて尋ねると、
「人事の詳細についてはお答えしておりませんが、今回の件による人事の変更はございません」（同局広報部）
と回答した。それなりの対応をしないと、クレームが来そうだが……。
