6代目山口組から一方的「抗争終結宣言」も 訪れる平和は本物か偽物か
外国人旅行者でも通行可能なのに
しかし、ETCカードを所持していなければいずれ高速道路を通行できなくなることは誰もが理解しているところだろう。
「私たちとしては、“ヤクザの人権”を声高に主張するのではなくて、憲法上の通行の自由は等しく平等に適用されるべきであると言わないと、裁判所に受け容れてもらえないと思っています。が、一方でどういう層がETCシステムから締め出されるのかを突き詰めていくと、結局ヤクザの人たちだけということが見えてきます。たとえば、外国人旅行者など日本のETCカードを持ち合わせない人たちは、レンタカーを借りればETCカードが使えるようです。レンタカーを借りることができない人は誰かといえば、ヤクザの人たちになるので、回り回って“ヤクザの人権”という結論になってしまうのではないかと捉えています」(同)
高速道路さえ通行できないとなればヤクザになろうとする者もおらず大打撃なのは間違いない。
神戸山口組側が白旗を揚げているわけではない
そういった現状を踏まえ、6代目山口組が様々なしばりやくくり、制限からの解放を狙って一方的に“抗争終結宣言”を出す可能性も浮上している。
実際に4月7日午後、6代目山口組の森尾卯太男本部長、安東美樹若頭補佐、そして津田力若頭補佐が兵庫県警本部を訪れ、「神戸山口組との抗争を終結する」旨の宣誓内容を伝えた。
たしかにヒットマンを差し向けることも報復もないのだから、すでに抗争状態ではないという理屈も成り立つだろう。しかし双方が和平協議に入っている状況ではないので、当局から単なる生き残り作戦と見られる可能性も高い。問題は、神戸山口組側が白旗を揚げているわけではない点だ。
つかの間の「平和」の後に凄絶な闘いが起こる、というのがヤクザ映画ではお馴染みのストーリー。当人たちはともかくとして、市民への影響が無いことを願うばかりである(【写真特集】映画「極道の妻たち」を彩った女優たち)。
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