「なぜ自治体がタニマチのようなことを…」 茨城県・阿見町が二所ノ関部屋に「報奨金200万円」を渡していた!

スポーツ

  • ブックマーク

財源はふるさと納税

 財源は何か。

「全国から二所ノ関部屋の応援を目的として頂いた、ふるさと納税の寄付金を積み立てた基金です。24年9月、報奨金交付要項について議会に説明したところ、反対はありませんでした。二所ノ関部屋のためにいただいた寄付金を同部屋のために使うので、議員の方々も抵抗がないのだと思います」(前出の担当者)

 ふるさと納税で目当ての自治体の物品などを買った人は「寄付金の使い道」をアンケート形式で問われる。阿見町で目を引くのは、その候補だ。「人と自然を守るまちづくり」「ふれあいあふれる協働のまちづくり」など公共性が認められる事業と並んで「二所ノ関部屋連携基金」とある。

「金額の根拠を示すべき」

 これが原資なのだが、なぜ特定の相撲部屋の応援に使途を誘導しようとするのか。

 以下は行政に詳しい山川法律事務所の代表弁護士、山川典孝氏の指摘。

「要項は、議会での議決が必要な条例とは異なり、行政の裁量で制定できるものです。報奨金交付要項の制定に手続き的な瑕疵(かし)はなかったと思われます。とはいえ、あらゆるスポーツや文化活動が存在する中、一つの相撲部屋に税金で継続的に高額の報奨金を支払うのは、不公平だと批判されても仕方ありません。町のPRのためと言うのなら、せめて金額の根拠や費用対効果を示すべきです」

 二所ノ関部屋に報奨金に関する見解を求めると、

「報奨金は相撲部屋運営事業に使わせていただいております。その旨は今後の阿見町の広報紙などで紹介があると思います」

 町を挙げての応援という建前ならば、不信の目を招いてはなるまい。まして相手は醜聞多き部屋なのだ。

週刊新潮 2025年4月10日号掲載

ワイド特集「心機一転」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

あなたの情報がスクープに!

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。