たしかに「1本8000円の包丁」は高い、だが…「釣り人」「魚好き」にこそ知ってほしい“三枚おろしが2分で終わる”ことの劇的メリット
確かに高いが…
魚を釣った後には当然、さばくという作業が発生する。また、スーパーで安い魚を買った場合、自らさばく必要がある。すでにさばかれたものは、その分の作業料が販売価格に上乗せされているのだ。一方で、よく行くスーパーでは、未処理の魚にはパックに「ごめん値」というシールが貼られており、さばく依頼をしないでほしい、というお願いをされている。となると、さばくのが面倒な人は、数百円高いパックを買うことになる。
【時短】大量に釣れた魚もサクサク三枚におろせる!高級包丁が魚を刺身にしていくまで
しかし、魚をさばくのに適切な包丁を1本用意しておくと、釣った魚だろうが未処理の魚だろうが自分でバンバン上手にさばくことができるようになるのである。コレにはかなり驚いた。これまで私はなぜ、その辺のスーパーで買った安い洋包丁で魚をさばいていたのだ! と。これを1本買えば、長期的に見ればかなり節約できるし、魚で、別の楽しみ方をすることもできるようになる。
私は築地の和包丁ブランド「東源正久」の包丁を8000円で買った。確かに高い。だが、初めて使った時にその威力をすぐに感じたのである。私はこの日、アジを50匹、サバを20匹、イワシを20匹ほど釣ってきた。自宅ですぐにさばき始めたのだが、アジの三枚おろしをするにあたり、普段の洋包丁と同じ感覚で背中から中骨の上に包丁を入れたらスッと入った。
三枚おろしが4分から2分に
そして、腹側に包丁を通すとこれもすぐに身を貫通。そこで背びれに向かって刃を置き、魚体を動かしたらこれまでに経験したことのないスムーズさで身が切れ、それは私の左手(魚を押さえる側)の人差し指に到達。すぐに血が滲み出た。この時、この包丁の切れ味の鋭さに気付き、それまでの洋包丁と同じ感覚で魚をさばくわけにはいかないことを理解した。切ったアジの半身は見事なまでに平らに切れて輝いており、普段デコボコだらけになっている半身とは切り口が違う。ここで私はドラッグストアへ行き、ゴム手袋を買った。これで指を守るのだ。
アジの三枚おろしは、これまでは1匹4分ほどはかかっていただろう。だが、この包丁を使うと2分で終わるのだ。この時、魚の料理をする者は優れた包丁を使うべきであることを完璧に理解した。
一旦コツを掴むと、流れ作業のように三枚おろしを作れるようになった。ここから刺身にするには、腹骨を取り、指を使って皮を剥ぐだけである。魚というものは、刺身で食べられるものについては刺身で食べるのが至高だと私は考えているが、さばく面倒くささから、それまでは塩焼きや煮つけ、ムニエルにすることが多かった。
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