周囲もあきれた、フジHD金光社長の「日枝氏へのこび売りエピソード」とは 「大雪の中、日枝氏の元に駆け付けてトンネル内から救出」

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「日枝氏から権力を奪取したと見るべき」

【前後編の後編/前編からの続き】

 フジテレビの第三者委員会は報告書の中で中居正広氏(52)の女性アナウンサーに対する“性暴力”を認定。さらに、日枝久取締役相談役(87)が醸成した閉鎖的な企業風土の問題も併せて指摘した。一方、報告書公表の数日前、中居氏は意外な人物の元を訪れていて――。
 
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 前編【「日枝氏は最後まで煮え切らない態度だった」 権力にすがりつこうとしていた姿をフジ元役員が明かす 一方、中居氏は変装姿で友人を訪問】では、報告書発表の3日前に中居氏が友人の元を訪れていた様子を、友人本人の証言と共に報じた。また、報告書のポイント、辞任が発表された日枝氏の最近の動静についても紹介した。

 日枝氏が3月27日の取締役会を欠席したことについて、フジ・メディア・ホールディングス(フジHD)の金光修社長(70)は「腰椎の圧迫骨折で入院中のため」と説明。健康が回復しても、表舞台からはこのまま退場する運びとなりそうなのだが、

「これは金光のクーデターですよ」

 そう声を潜めて言うのはフジの元重役である。

「株式会社富士テレビジョン(現在のフジHD)を設立し、フジサンケイグループの土台を築いたのは池田勇人内閣時代に財界四天王の一人として知られた水野成夫です。しかし、1968年に水野は脳溢血で倒れ、鹿内信隆がグループの実権を握りました。その鹿内家をクーデターで追い出して権力を掌握したのが日枝氏だったわけですが、金光氏は日枝氏を本人の意に反して権力の座から追い落とした。OBの間では金光氏がクーデターに成功したとの見方が広まっています」(同)

 この点、フジ関係者もこう述べる。

「報告書によれば、港浩一前社長(72)氏の後任人事は金光氏が主導して清水賢治氏(64)に決めたとのことです。一方、金光氏はその人事について、日枝氏に報告こそ行っているものの、“(日枝氏の)影響力の行使があったとは認定できなかった”とも。金光氏は清水氏の社長就任をはじめとする人事を通じて、日枝氏から権力を奪取したと見るべきです」

「日枝氏の元に駆け付けてトンネル内から救出」

 金光氏は78年に早稲田大学第一文学部を卒業後、西武百貨店に入社。83年にフジに中途入社し、人気料理番組「料理の鉄人」の企画に携わった経歴を持つ。2009年に経営企画局長に就任し、経営企画畑を歩んだ。19年6月から現在のフジHDの社長職にあり、21年6月から22年6月まではフジの社長も兼任している。

 前出の元重役が言う。

「金光氏は今度の人事で日枝氏と同様に、まわりに子飼いを配しました。たとえばフジHDの取締役(常勤監査等委員)及びフジの監査役を兼任することになる柳沢恵子さん(60)は現在、フジの人事局上席HRアドバイザーという立場ですが、もとは経営企画畑で、金光氏の下で働いていた。金光氏がフジの社長時代に早期退職制度を導入してリストラを断行した際、人事局に局長職として送り込まれたのが彼女でした」

 このほか、深水良輔フジHD新専務執行役員(63)、皆川知行フジHD新常務執行役員(60)らも経営企画畑出身で金光氏の息がかかっているという。

「金光氏は権力欲の強い人間でね。今から7年前、日枝氏を乗せた送迎車が大雪のために首都高のトンネル内で渋滞に巻き込まれて身動きが取れなくなったことがありました。その時、金光氏は車両部を通じて日枝氏の窮状を知ると、日枝氏の元に駆け付けてトンネル内から救出したのです。この一件は当時、社内でもうわさになりました。“そこまでやるかね”と皆であきれたものですが、翌年、彼は中途採用ながらフジHD社長に抜てきされました」(同)

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