「もう一度、ちあきなおみと出逢える」朗読劇が上演へ 本人役の“声優”が明かす「伝説の歌手」の魅力

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 昨年6月、デビュー55周年を記念して、かつて在籍したレコード会社3社から300曲以上のダウンロード配信が開始された歌手・ちあきなおみ。1992年の活動停止から今年で33年、その人気はいまだおとろえず、「昭和歌謡ブーム」の影響もあって、最近は20代~30代の若い世代もちあきの曲に耳を傾け、口ずさんでいる。今も歌うことなく「沈黙」を守り続ける彼女を描く朗読劇が4月5~6日に上演される。ちあき役をつとめる声優お二人に、話を聞いた。

曲ごとに声の温度感が違う

 北沢タウンホールで上演される朗読劇は「ちあきなおみ 沈黙の理由」(81プロデュース主催、ノサカラボ制作)。ちあきの活動停止を挟んで8年間、マネージャーを務めた古賀慎一郎氏(57)が書き下ろした同名の著書が原作になっている(書籍は新潮社刊)。

 1992年9月11日、ちあきの夫であり、プロデューサーでもあった郷鍈治が死去。その日を境に彼女は一切の活動を停止した。あの時期に何があったのか、そしてちあきが「沈黙」を守り続ける理由は――最後のマネージャーとして、もっとも間近で2人を見守っていた古賀氏の著書には知られざるエピソードが満載である。

 朗読劇はその原作をもとに、第一線で活躍する声優陣と、ちあきの名曲を織り交ぜながら進んでいく。全4公演だが、BLACKとREDの2チームに分かれた声優たちが舞台を務める。ちあき役を担当するのは、柚木涼香(BLACKチーム)と、恒松あゆみ(REDチーム)。

「もちろん、ちあきさんは存じ上げていますが、面識はありません。美川憲一さんが出ておられた“タンスにゴン”のCMは知っていたのですが、一緒に出演されていたのがちあきさんだったというのも、共演の水島裕さんに教えて頂いたほどで(笑)。台本を読んだら本当に素晴らしいストーリーでした。しっかり読み込んで、私なりの解釈を加えて演じさせて頂きます」(柚木)

「ちあきさんを演じる――ものすごく光栄なことです。同時に、大変なプレッシャーも感じました。原作と台本をしっかり読み込まないと、難しいだろうと思いました。原作は一気に読んでしまうほど、引き込まれました。ちあきさんと郷さん、お二人のことを大好きな古賀さんは、二人の世界観の理解者であるだけでなく、深い愛情を持って接していたのだと思いました」(恒松)

 声優と歌手――同じ表現者として、ちあきなおみの魅力はどんなところにあるのか、聞いてみた。

「歌がお上手なのはもちろんですが、その歌を芝居やドラマのように表現される。歌い出すと目が離せない、作品の世界観に引き込まれてしまう。本当に凄いと思います」(柚木)

「この役を頂いてから、改めて聴き直しました。曲ごとに声の温度感が違う、景色や情景が浮かんでくるような、それこそ匂いまで感じ取れるような歌い方です。こんな物凄い歌手の方がいらっしゃったのだと、改めて驚いています」(恒松)

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