総合演出は「日テレのエース」…【月曜から夜ふかし】カラス食“ねつ造”に業界が愕然とした理由

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2度も放送されたねつ造VTR

女性:去年の3月、バルコニーにカラスが来てハンガー持っていったのを見て、それからは外で(洗濯物を)乾かしてない。

――と、スマホで撮影した、ハンガーを咥えるカラスの写真を示した上でこう言う。

女性:あんまり中国にカラスは飛んでいない。みんな食べてるから少ない。煮込んで食べて終わり。

 MCのマツコ・デラックスと村上信五が爆笑するカットが入ると、「『夜ふかし』始まります」とナレーションが入ってオープニングだった。前出の民放プロデューサーは言う。

「おかしいですね、『※中国全域ではありません』という注釈テロップは入っていませんでしたか?」

 そんなテロップはなかったのでそのまま見続けると、15分後に再び同じVTRが流された。2度目の放送では確かに「※中国全域ではありません」のテロップが入っていた。とはいえ2回も流されたということは、この日の「夜ふかし」ではこのVTRが一番面白いと番組側が判断したということではないのだろうか。

「そう疑われても仕方ないですね。下請けの責任とは言えないでしょう。わざわざ注釈テロップを入れたのも、何かしらの裏取りをしたか、グレーゾーンのネタだという意識があったからでしょう」

 VTRをよくよく見ると、「中国にカラスは飛んでいない」と「みんな食べてるから少ない」の発言の間にVTRが編集された形跡があった。

悪魔の囁き

「ニュアンスや解釈を変える以上の作り話、ねつ造をしてしまったのは悪質と言えます。ましてや国際問題に発展しかねない点で、責任は重いと言っていいでしょう」

 そのため日中二カ国語の丁寧なお詫びになったわけだ。「夜ふかし」では当面の間、街頭インタビューを中止するという。

「最近は街頭インタビューを取り入れるバラエティが増えています。また、インバウンドの影響もあって、街頭インタビューで外国人を取り上げることも少なくありません。そうした中、街頭インタビューはねつ造といったイメージがつくのはいい迷惑です」

 なぜ街頭インタビューは重宝されるのだろう。

「企画にもよりますが、お手軽感とわかりやすさが魅力です。例えば、ランキングで紹介する企画では、欲しいコメントがとりやすく、街の声を導入に使うことで納得感や説得力、信憑性など、企画成立のアイコンとして重宝されています。逆に、面白いコメントで成り立つ企画には、スタッフにとって街頭インタビューは地獄です。“撮れ高”が進まないときには、面白さをねつ造する悪魔の囁きが聞こえてしまうテレビマンも……」

「夜ふかし」のBPO(放送倫理・番組向上機構)審議入りは必至といわれる。

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