「“違和感がある”ならなぜ公認したのか」 石破首相が杉田水脈を切れない理由を現役議員が明かす
「強烈な違和感は持っております」
【全2回(前編/後編)の前編】
商品券問題の陰で注目を集めているのが、杉田水脈(みお)元衆院議員(57)の参院選比例代表への擁立決定だ。なぜ、石破茂首相(68)は思想信条的に相容れないだろう彼女を公認せねばならなかったのか。そこには安倍政権を支えた“岩盤保守”の存在が見え隠れする。
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【写真を見る】商品券配りの「指南役」とうわさされる「ドンの息子」とは
3月21日、石破茂首相が参院予算委員会で語気を強める一幕があった。
「私は強烈な違和感は持っております」
今般取り沙汰されている自民党の商品券配布文化について述べたわけではない。夏の参院選比例代表で自民党に公認された杉田水脈元衆院議員。過去にさまざまな発言で物議を醸した彼女の公認の是非について、野党議員から質された際の答弁である。
苦しい説明
この背景事情を詳述する前に、まずは商品券配布問題に関して振り返ろう。
政治部デスクが言う。
「3月3日、石破氏と1年生議員の懇談会が行われた際、秘書が事前に10万円相当の商品券を“お土産”として参加者の事務所に配っていた。13日夜、朝日新聞が、政治資金規正法に抵触するとして本件を速報。石破氏は“商品券代を私費で賄っており、政治活動にかかわる寄付でもない”と弁明しましたが、その原資は官房機密費ではないかと取り沙汰されています」
先日、デイリー新潮は岸田政権下でも商品券が配布されていたと報じたが、
「自民党の大岡敏孝衆議院議員も、新人議員だった2012年に第2次安倍政権下の首相公邸で行われた会食に合わせて金券を受け取ったと明かしています。つまり、これは歴代自民党政権の慣習なのです。石破氏は21日の参院予算委で、商品券を私費で購入したと証明する“記録はない”と主張。さらには、“こういうことに官房機密費は使うものではない”とも述べましたが、苦しい説明だと言わざるを得ません」(同)
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