石破首相が頭を下げ続けているうちに支持率が上がってほしいと夢見る議員たち
国民的人気とは何なのか?
それは「石破おろし」につながる動きになるわけだが、少なくとも現時点では気運が盛り上がっていないという。なぜか。
「石破氏が昨年9月の総裁選で当選圏外だった中で当選できたのは、国民的な人気があるという世論調査の結果があったからです。『次の総理』候補として常に上位にいました。だからこそ解散総選挙を前にした自民党議員たちが選挙の顔としてふさわしいと判断したわけです。ところが、ふたを開ければ自公は想定以上に衆院の議席を減らしてしまった。直前の2000万円バラマキ報道などの影響もあったのでしょうが、こうなってくると、世論調査による国民的人気とは何なのか? 選挙で勝てる人とイコールではないのか?といった根本的な疑問が自民党内で出てきているようです。もちろん、だからといって『世論調査で人気の低い人でも勝てる』などという考え方には何の合理性はない。その意味で、次に誰をすればいいのかが見えない」(同)
安倍首相の時代を懐かしむ自民党議員
「また石破氏の言動を公然と批判する自民党議員も現れていますが、そういう人に支持が集まっているかといえば全くそんなこともない。結果、単に自民党内が学級崩壊になっているような印象を広めているだけですから、何のことはない、その種の議員もまた党の支持率を下げ、自分たちの立場を悪くしているだけなのです。派閥が解消されてまとまった動きができなくなっていることの影響もあって、党内はある種の混乱状態にあると言っていいのかもしれません」(同)
安倍首相の時代を懐かしむ自民党議員は、石破氏の批判に回りやすい。今日の自民党の苦境の要因の一つが「安倍派」の問題だったことはすっかり忘れてしまったかのようだ。
打開策は見いだせないけれども、何らかのきっかけで風向きが変わってくれれば……、石破首相が頭を下げ続けているうちに内閣の支持率が底をうって上昇に転じてくれれば‥…そんな無責任とも人任せとも取れる姿勢が垣間見えてくるのである。
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