エース「才木浩人」だけじゃない! ドジャースとカブスを撃破した「阪神」で“メジャーでも通用しそうな外野手”とは?

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“二階から落ちる”フォーク

「大谷翔平選手や佐々木朗希選手のフォークは150キロ台と報じられていますが、クルーンも同じくらいのスピードだったでしょう。彼のフォークは視界から消えるはずで、バッターとしては対処しようがありません。そしてフォークを勝負球とするピッチャーは背が高いという共通点があります。落差が肝の変化球ですから、いわゆる“二階からボールが落ちてくる”タイプのピッチャーが投げると抜群の効果を発揮するのです。もともと上背のあるクルーン選手やメッセンジャー選手が日本で学んだフォークを投げると、日本人ピッチャーを超える強烈な決め球になりました。ちなみに“フォークボールの神様”と呼ばれた杉下茂さんは、私にとって明治大学野球部の先輩ですが、大正14年生まれにもかかわらず身長は182センチもありました」(同・広澤氏)

 スポーツジャーナリストや熱心な野球ファンは個人サイトなどで野球選手の平均身長を算出している。それによると、プロ野球選手の平均身長は180から182センチ、メジャーリーガーは188センチぐらいだという。

 これまでに名前の挙がったピッチャーの身長を確認してみよう。クルーン氏は188センチ、メッセンジャー氏は198センチ、大谷は193センチ、佐々木は188センチ。

才木のフォークは通用するのか?

 フォークで三振の山を築いた“ドクターK”こと野茂英雄氏も188センチで、“お化けフォーク”で知られるメッツの千賀滉大も185センチだ。一方、カブスのエースとして開幕戦に先発した今永昇太は178センチで、彼の勝負球はフォークではない。

 そして阪神の才木も189センチの長身だ。2023年3月、WBC強化試合として開催された侍ジャパン対阪神戦で、才木は大谷と対戦。第2打席で1−2からフォークを投げると大谷はバランスを崩してしまう。ところが、左膝をつきながら右手だけでバックスクリーンにホームランを放つ“驚きの結末”となったことは記憶に新しい。

 その後、才木はフォークに磨きを掛けたという。3月16日の対戦でも才木はフォークを勝負球に選び、見事にリベンジを果たした。「何としてもメジャーに挑戦する」という強い意思を感じ取った野球ファンも多かったのではないだろうか。

「日米野球にはお祭りの要素もあります。ロバーツ監督が才木くんを絶賛したのは、リップサービスの面も否定できないでしょう。とはいえ、『才木くんのピッチングならメジャーでも通用する』との評価に信憑性を感じるのも事実です。背が高く、なおかつフォークを勝負球に使えるという、メジャーで成功する日本人ピッチャーの条件を満たしているからです」(同・広澤氏)

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