小出監督に声をかけられてから11年 “気持ちに火がつかなかった”「鈴木博美」を心変わりさせた出来事とは(小林信也)

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「小学校4年の時、突如足が速くなりました。短距離も長距離も。けど、走るのはあまり好きではなかった」

 2男の母親になった鈴木博美(現姓・伊東)が言う。

「中学校でも陸上部に入る気はありませんでした。なのに、陸上部の先輩が毎日誘いに来てくれて」

 ずっと断り続けると、

「次は先輩が同級生を連れて迎えに来ました。『うちの陸上部は楽しいよ、一緒に遊ぼうよ』、そう言われて」

 断り切れず仮入部した。確かに鬼ごっこしたり、海を見に行ったり、少し走る程度の部活だった。...

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